離職率(ターンオーバーレート)計算ツール|自己都合・会社都合の内訳も無料算出

期首在籍人数と退職者数(自己都合・会社都合の内訳)を入力するだけで、離職率・定着率を無料で自動計算。人事担当者・経営層が組織の実際の退職状況を素早く把握できます。

離職率の求め方と読み方

期首の在籍人数と退職者数(自己都合・会社都合の内訳を含む)を入れると、離職率と定着率を算出します。

**離職率で注意したいのが、分母の取り方で数字が変わることです。** 期首の在籍人数を分母にする方法と、期中の平均在籍人数を分母にする方法があり、**人員が大きく増減した期間では両者が食い違います。** 他社の公表値と比べるときは、**同じ定義で計算されているかを確かめないと意味がありません。** **そしてもう一つ重要なのが、自己都合と会社都合を分けて見ることです。** 同じ離職率でも、**会社都合が多ければ人員削減の結果であり、自己都合が多ければ組織側に理由がある**という、まったく違う話になります。合計値だけを見ていては、どちらなのか判断できません。

算出の手順

  1. 期首在籍人数を入れる **分母になります。** 他社と比べるなら定義をそろえてください。
  2. 退職者数を内訳つきで入れる **自己都合と会社都合を分けて入れます。**
  3. 離職率と定着率を読む 両者は足して100%になります。
  4. 内訳から意味を読み取る **どちらの理由が多いかで、取るべき対策が変わります。**

使いこなすためのヒント

  • 離職率は「期首在籍人数」を基準にするのが一般的ですが、期中の入社者を含めた「平均在籍人数」を分母にする流派もあります。社内で経年比較する際は基準を統一しましょう。
  • 自己都合・会社都合を分けて集計すると、単純な離職率の増減だけでは見えない「組織側の課題(自己都合の急増)」と「事業判断(会社都合のリストラ等)」を区別できます。
  • 離職率は業界・職種によって適正水準が大きく異なります。飲食・小売業と製造・公務員系を単純比較せず、同業種のベンチマークと照らし合わせることが重要です。
  • 本ツールの結果と本日実装したeNPS(従業員ネットプロモータースコア)を組み合わせると、先行指標(従業員満足度)と遅行指標(実際の退職実績)の両面から組織状態を評価できます。

活用シーン

組織の状態を定点観測する

年度ごとに同じ定義で測ると、傾向が見えてきます。

部署ごとに比べる

**全社では問題なく見えても、特定の部署だけ突出していることがあります。**

採用計画を立てる

**退職を見込んだ補充人数を見積もる材料になります。**

定着施策の効果を見る

施策の前後で比べると、変化があったかを確かめられます。

離職の用語

離職率
一定期間の退職者数を在籍人数で割った割合です。**分母の取り方で数字が変わります。**
定着率
離職率を100%から引いた値です。同じことを裏から見ています。
自己都合退職
本人の意思による退職です。**これが多い場合、理由は組織の側にあることが多くあります。**
会社都合退職
会社の事情による退職です。人員削減や事業縮小が背景にあります。
期首在籍人数
期間のはじめに在籍していた人数です。分母として最もよく使われます。
平均在籍人数
期首と期末の平均などで求める人数です。**人員が大きく動いた期間では、こちらのほうが実態に近くなります。**

よくある質問

厚生労働省「令和6年雇用動向調査」によると、日本国内の全国平均の離職率は14.2%です。ただし産業別に見ると宿泊業・飲食サービス業のように25%を超える業界から、7〜8%台に留まる業界まで幅があるため、自社の過去数値や同業種のベンチマークとの比較で判断することが推奨されます。

自己都合退職は従業員自身の意思による転職・独立・家庭の事情等での退職を指し、会社都合退職は業績悪化に伴うリストラ・解雇・退職勧奨等、会社側の事情による退職を指します。失業保険の給付条件にも影響するため、法的にも明確に区別されます。

採用・研修コストの増加に加え、ノウハウの流出・残された従業員の負担増加によるさらなる離職の連鎖(離職ドミノ)を招くリスクがあります。特に自己都合退職率が高い場合は、エンゲージメント調査(eNPS等)と組み合わせて根本原因を特定することが重要です。

月次・四半期ごとの計測が一般的です。年1回だけの計測では退職の波(特定の時期に集中する傾向)を見逃しやすく、四半期ごとに追うことで季節要因や施策の効果検証がしやすくなります。

定着率は「期首在籍人数のうち、期末まで在籍し続けた人数の割合」で、離職率と表裏の関係にあります(定着率 = 100% − 離職率)。同じデータを「残った人」視点で見るか「辞めた人」視点で見るかの違いで、どちらを主指標にするかは組織の目的次第です。
ツールくん

余談ですが ― 離職率という指標の生まれた背景

離職率(Turnover Rate)という概念は、20世紀初頭のアメリカ製造業で「労働者の入れ替わりコスト」を可視化する目的で広まりました。当時のフォード社は流れ作業方式の導入直後、離職率が年率300%を超えるほど深刻な人材流出に悩まされており、1914年に日給を大幅に引き上げた「5ドル・デイ」政策が離職率低減の代表的な成功事例として経営学の教科書に必ず登場します。

離職率には「自己都合(Voluntary Turnover)」と「会社都合(Involuntary Turnover)」という2つの性質の異なる退職が混在しています。前者は従業員自身の意思による転職・独立等で、組織の魅力度やエンゲージメントの問題を反映しやすい一方、後者は業績悪化に伴う人員整理や解雇であり、必ずしも組織の問題を示すとは限りません。この2つを合算した単一の離職率だけを追うと、対策すべき原因を見誤るリスクがあります。

近年は離職率を単独の指標として扱うのではなく、採用コスト・研修コストと組み合わせた「離職に伴う総損失額」として試算する企業も増えています。ある従業員が退職すると、後任の採用・教育に要する費用は年収の1〜2倍に達するという研究もあり、離職率の低減は単なる人事指標にとどまらず、経営インパクトの大きい投資対効果の高い施策として位置づけられています。