eNPS(従業員ネットプロモータースコア)計算ツール|従業員エンゲージメントを無料算出

「この会社を友人・知人に働き先として薦める可能性は?」という0〜10点のアンケート回答数を入力するだけで、推奨者・中立者・批判者に自動集計しeNPS(従業員ネットプロモータースコア)を無料で計算。従業員エンゲージメントの現在地を一目で確認できます。

eNPSの求め方と読み方

「この会社を友人・知人に働き先として薦める可能性は」という0〜10点の設問に対し、各点数の回答人数を入れると eNPS を算出します。9〜10点を推奨者、7〜8点を中立者、0〜6点を批判者として集計します。

**計算式で意外に思われるのが、中立者の扱いです。** eNPS は**推奨者の割合から批判者の割合を引いただけ**で、**中立者は分母には入るものの、引き算には登場しません。** そのため7〜8点をどれだけ集めてもスコアは上がらず、**値は -100 から +100 の範囲を取ります。** 一般的な満足度調査の平均点と比べて厳しい数字が出るのはこのためです。**そしてこの指標を使ううえで最も重要なのが、回答者が匿名を信じているかどうかです。** 誰の回答か分かると疑われた瞬間、**点数は実態より高い側へ偏ります。** 絶対値を他社と比べるより、**同じ設計で測り続けたときの推移**を見るほうが意味を持ちます。

算出の手順

  1. 0〜10点それぞれの回答人数を入れる 設問の文言は毎回そろえてください。
  2. 3つの区分を確かめる **9〜10点が推奨者、7〜8点が中立者、0〜6点が批判者です。**
  3. スコアを読む **推奨者の割合 − 批判者の割合で、-100〜+100 の範囲を取ります。**
  4. 前回と比べる **単発の値より、同じ設計で測り続けた推移に意味があります。**

使いこなすためのヒント

  • eNPSは業界・企業規模によって平均値が大きく異なります。自社の過去の数値との比較(トレンド分析、四半期ごとの定点観測など)に使うのが最も有効な使い方です。
  • 匿名性を保証しないと本音の回答が集まりにくく、スコアが実態より高めに偏る傾向があります。人事評価とは切り離した匿名アンケートで実施することをおすすめします。
  • 既存の顧客向けNPSと計算式は全く同じですが、対象は「従業員」であり離職率・定着率の先行指標として使われる点が異なります。
  • 部署・役職・在籍年数別にセグメント分析すると、特定の層でスコアが低い=離職リスクが高いという兆候を早期に発見できます。

活用シーン

組織の状態を定点観測する

**四半期ごとなど間隔を決めて測ると、変化が見えます。**

施策の効果を見る

制度を変えた前後で比べると、届いたかどうかの手がかりになります。

部署ごとの差を見つける

**全社では平均的でも、特定の部署だけが低いことがあります。**

自由記述と併せて読む

点数は何が起きたかを教えてくれません。理由は記述から拾います。

eNPSの用語

推奨者
9〜10点を付けた人です。
中立者
7〜8点を付けた人です。**分母には入りますが、スコアの引き算には登場しません。**
批判者
0〜6点を付けた人です。**6点は「ふつう」ではなく批判者に分類される点に注意が要ります。**
eNPS
推奨者の割合から批判者の割合を引いた値です。**-100 から +100 の範囲を取ります。**
匿名性
**回答者が匿名だと信じているかどうかです。** 疑われると点数は高い側へ偏ります。
推移
同じ設計で測り続けたときの変化です。**絶対値より、こちらのほうが判断に使えます。**

よくある質問

一般的な目安として、0以上でプラス圏、10〜30程度が業界平均、30以上は良好とされることが多いです。ただし業界・企業規模・国によって平均値が大きく異なるため、絶対値よりも自社の過去の数値との比較で判断することが推奨されます。

計算式(推奨者の割合−批判者の割合)は全く同じですが、設問の対象が「顧客」ではなく「従業員」である点が異なります。eNPSは従業員エンゲージメント・定着率の先行指標として、人事・組織開発の担当者が主に活用します。

設問が1つだけで回答負荷が低いため、四半期ごと、あるいは月次での高頻度な計測に向いています。年1回の大規模なエンゲージメントサーベイと組み合わせ、スコアの急落を早期に検知する運用が一般的です。

スコア単体では原因がわからないため、批判者(0〜6点)を回答した従業員向けに自由記述欄やフォローアップの1on1を用意し、具体的な不満・懸念を特定した上で改善策を検討することが重要です。

回答者が特定される懸念があると本音を答えにくくなり、スコアが実態より高めに出る傾向があります。人事評価と切り離した匿名アンケートとして実施し、部署や役職などの属性も個人が特定されない粒度に留めることが推奨されます。
ツールくん

余談ですが ― eNPSが従業員版として広まった理由

顧客向けのNPS(ネットプロモータースコア)が2003年に提唱されると、程なくして人事・組織開発の領域でも同じ発想を従業員に応用する動きが広がりました。それがeNPS(Employee Net Promoter Score)です。「この会社を友人や知人に働き先として薦める可能性はどのくらいありますか?」という単一の設問で、多岐にわたる従業員満足度調査を代替できる手軽さが評価され、特に人員規模が急拡大するスタートアップや、離職率の高い業界で広く採用されています。

eNPSが注目される理由の一つは、離職の先行指標として機能する点です。年に1回の大規模な従業員満足度調査(エンゲージメントサーベイ)は実施コストが高く頻度を上げにくいのに対し、eNPSは設問が1つだけのため月次・四半期ごとの高頻度な計測に向いています。スコアの急落は、退職者が実際に増える前の早期警戒シグナルとして活用できます。

一方でeNPSには批判もあります。単一の設問だけでは「なぜ薦めたくないのか」という具体的な理由がわからず、改善アクションに直結しにくいという限界です。実務では、eNPSのスコアだけで判断せず、低スコアの回答者に対する自由記述欄やフォローアップインタビューを組み合わせて、根本原因を特定する運用が推奨されています。