CES(カスタマーエフォートスコア)計算ツール|対応の手間を数値化

サポート対応やサービス利用でどれだけ手間がかかったかのアンケート回答人数を入力するだけで、CES(カスタマーエフォートスコア)を無料で自動計算。5段階・7段階どちらの尺度にも対応し、低努力(簡単だった)の回答比率と平均スコアを一目で確認できます。

CES(カスタマーエフォートスコア)とは

CES は、**顧客が目的を果たすのにどれだけ手間がかかったか**を測る指標です。「問題解決のためにどの程度の手間がかかりましたか」といった設問に段階評価で答えてもらい、集計します。満足度(CSAT)や推奨度(NPS)が「どれだけ良かったか」を問うのに対し、**CES は「どれだけ面倒だったか」という裏側から顧客体験を測る**点に特徴があります。

この指標が広まった背景には、**顧客の離反を防ぐうえで「感動させること」より「手間を減らすこと」のほうが効く**という考え方があります。期待を超えるサービスを目指すよりも、たらい回しや同じ説明の繰り返しを無くすほうが継続率に効く、という主張です。このツールは各努力レベルの回答人数を入れるだけで、5段階・7段階どちらの尺度にも対応して**低努力(簡単だった)の回答比率と平均スコア**を算出します。

CES を計算する手順

  1. 尺度を選ぶ 5段階評価と7段階評価のどちらで聞いたかを選びます。
  2. 各努力レベルの回答人数を入力する **1に近いほど簡単、数値が大きいほど手間がかかった**ことを表します。
  3. 低努力の比率を確認する 「簡単だった」と答えた人の割合が表示されます。
  4. 平均スコアを見る 全体の平均値も併せて示されます。
  5. 接点ごとに記録する 問い合わせ・返品・解約など、場面ごとに分けて保存すると比較に使えます。

使いこなすためのヒント

  • CESは「今すぐ改善すべき具体的な導線」を教えてくれる指標です。低努力の回答が集中したかで、FAQの分かりやすさや手続きの複雑さを見直しましょう。
  • 5段階評価は日常的なサポート対応の効果測定に、7段階評価はより細かい変化を捉えたい場合に向いています。目的に応じて使い分けましょう。
  • 同じ質問文・同じ尺度で繰り返し計測することで、UI変更や手続き簡略化の効果を数値で比較できます。
  • 低努力の回答比率だけでなく平均努力スコアも併せて確認すると、極端な回答に埋もれがちな全体傾向を把握しやすくなります。
  • CESが低い(努力が大きい)結果が出た場合は、自由記述コメントを確認し、具体的にどの手続きが手間取ったのかを特定しましょう。

こんなときに役立ちます

サポートの導線を改善する

**手間の正体を特定できれば直せます。** たらい回し・再説明・待ち時間のどれが効いているかを追えます。

解約の予兆をつかむ

CES が悪化している顧客は離反しやすいとされます。早めに手を打つ材料になります。

CSAT・NPS と併せて見る

**満足していても手間がかかっていた**という組み合わせは実在します。片方だけでは見落とします。

FAQ やヘルプの効果を測る

自己解決の導線を整えた前後で比べると、手間が減ったかを確認できます。

顧客体験の用語

CES
顧客が目的を果たすのに要した手間を測る指標です。**数値が小さいほど良い**という点が他の指標と逆です。
低努力
「簡単だった」側の回答です。**この比率を主要な見方とするのが一般的です。**
CSAT
特定の体験への満足度を、上位2段階の比率で測る指標です。
NPS
他人に薦めたいかを問い、推奨者の比率から批判者の比率を引いた値です。
たらい回し
担当部署が変わるたびに顧客が同じ説明を繰り返す状態です。**CES を悪化させる代表的な要因です。**
自己解決率
問い合わせをせずに顧客自身が解決できた割合です。CES の改善と連動しやすい指標です。

よくある質問

業界にもよりますが、低努力(下位2段階)の回答比率が75%以上であれば優秀、60〜75%で良好、40〜60%で平均的、40%未満は改善の余地ありとされます。ただし業界平均の幅が大きいため、自社の過去の数値との比較がより実用的です。

CESは「対応にどれだけ手間がかかったか」というプロセスの負荷を測るのに対し、CSATは結果への満足度、NPSは中長期的な推奨意向を測ります。3指標は測定対象が異なるため、目的に応じて使い分けるか併用するのが実務上一般的です。

最上位(または最下位)の1段階のみを基準にすると母数が小さくなりスコアが不安定になりやすいため、下位2段階(Low 2 Box)をまとめて「低努力=簡単だった」とみなす方式が実務上広く使われています。

決まった正解はありませんが、シンプルな効果測定には5段階、より細かい変化を捉えたい場合や既存調査と粒度を揃えたい場合は7段階が向いています。

高努力(上位段階)を選んだ回答者の自由記述コメントを優先的に確認し、手続きの複雑さ・説明不足・たらい回しなど、具体的にどの要素が手間の原因になっているかを特定することが改善の第一歩です。
ツールくん

余談ですが ― なぜ「感動」より「手間を減らす」ことが重視されるのか

CES(Customer Effort Score、カスタマーエフォートスコア)は、2010年にCEB(現Gartner)が発表した論文「Stop Trying to Delight Your Customers」で提唱された指標です。同論文は、顧客ロイヤルティを高める最大の要因は「顧客を感動させること」ではなく「顧客の手間を減らすこと」だと主張し、それまで満足度調査の主流だった多面的な評価軸に一石を投じました。

設問の形式には大きく2種類あります。1つは「対応のしやすさにどの程度同意しますか」という同意尺度型(この場合は数値が大きいほど簡単)、もう1つは「どの程度の手間がかかりましたか」と直接尋ねる努力尺度型(この場合は数値が小さいほど簡単)です。本ツールは後者、CES 2.0とも呼ばれる直接的な努力尺度を採用しています。

CESが特に重視されるのは、サポート窓口やコールセンターなど「顧客が能動的に問題解決を求める」接点です。CSATが結果への満足度、NPSが中長期的なロイヤルティを測るのに対し、CESは「もう一度この会社に連絡したいと思うか」を左右する体験のスムーズさそのものを可視化します。CEBの調査では、低努力を実現した企業ほど顧客のリピート率が高い傾向が示されています。