減価償却費計算(定額法・定率法シミュレーター)

取得価額と耐用年数を入力するだけで、定額法・定率法(200%定率法)による年別の減価償却費・帳簿価額の推移を無料で自動計算できるツールです。個人事業主・中小企業の確定申告や決算の目安把握に役立ちます。

減価償却費計算とは

減価償却費計算ツールは、パソコンや車両、機械設備などの固定資産を購入した際に、その取得価額を耐用年数にわたって毎年の費用として配分する「減価償却」の金額を自動で計算するツールです。取得価額と耐用年数を入力するだけで、定額法・定率法(200%定率法)それぞれの年別の減価償却費と帳簿価額の推移を一覧で確認できます。

減価償却は、資産を購入した年に全額を経費にするのではなく、その資産が使用できる期間(耐用年数)にわたって費用を分割して計上する会計処理です。個人事業主の確定申告や法人の決算処理において、正しい耐用年数・償却方法を選ぶことは納税額に直接影響するため、あらかじめシミュレーションしておくことが重要です。

使い方

  1. 取得価額を入力する 購入した資産の取得価額(税抜き経理の場合は税抜き金額)を入力します。
  2. 耐用年数を入力する 国税庁の耐用年数表に基づく、その資産区分の法定耐用年数を入力します(2〜60年)。
  3. 償却方法を選択する 定額法・定率法(200%定率法)のいずれかを選び、年別のスケジュールを切り替えて確認します。
  4. 計算結果を確認する 償却率・償却完了までの年数・減価償却費合計と、年別の期首帳簿価額・減価償却費・期末帳簿価額の推移表が表示されます。

使いこなすためのヒント

  • 耐用年数は資産の種類ごとに国税庁の「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で細かく定められています。パソコンは4年、普通自動車は6年など、資産ごとの法定耐用年数を確認してから入力しましょう。
  • 定額法は毎年ほぼ一定額を計上するため損益計画が立てやすく、定率法は初年度の償却費が大きいため早期に費用化して節税効果を得たい場合に向いています。
  • 建物・建物附属設備・構築物は税制上、定額法のみが認められており定率法を選べません。導入する資産の区分によって選べる方式が異なる点に注意してください。
  • 本ツールは耐用年数から機械的に算出した簡易シミュレーションです。正式な確定申告・決算書の作成では、国税庁が公表する耐用年数表・償却率表に基づき税理士に確認することをおすすめします。

活用シーン

パソコン・OA機器の減価償却費計算

個人事業主・中小企業がパソコンやオフィス機器を購入した際、法定耐用年数(多くは4年)に基づく年別の経費計上額を事前に把握できます。

社用車・営業車両の減価償却費計算

普通自動車(耐用年数6年)・軽自動車(耐用年数4年)など、車両ごとに定額法・定率法それぞれの年間経費計上額を比較できます。

開業・設備投資前の資金繰りシミュレーション

大型の設備投資を検討する際、償却方法の違いによって初年度以降の利益・納税額がどう変わるかを事前に試算できます。

用語集

定額法
取得価額に一定の償却率を掛け、耐用年数にわたって毎年ほぼ同額を減価償却費として計上する方法です。
定率法(200%定率法)
期首の帳簿価額に一定の償却率(定額法の償却率のおよそ2倍)を掛けて計算する方法で、初年度の償却費が大きく、年を追うごとに減っていくのが特徴です。
耐用年数
資産の種類ごとに国税庁の省令で定められた、その資産を使用できると見なされる年数です。減価償却費を計算する際の基準になります。
帳簿価額
取得価額から、それまでに計上した減価償却費の累計を差し引いた、帳簿上の資産価値です。
備忘価額
減価償却が完了した資産について、帳簿上にその存在を記録し続けるために残す1円の帳簿価額のことです。

よくある質問

耐用年数を通じた減価償却費の総額はどちらの方式でも同じですが、計上するタイミングが異なります。定率法は初年度に多く計上するため早期の節税効果が大きく、定額法は毎年ほぼ均等額のため損益の見通しが立てやすいという特徴があります。

国税庁が公表している「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」の耐用年数表で、資産の種類ごとに細かく定められています。パソコンは4年、普通乗用車は6年などが一般的な例です。

いいえ。建物・建物附属設備・構築物は税制上、定額法のみが認められており、定率法を選択することはできません。

本ツールは耐用年数から機械的に算出した簡易シミュレーションのため、正式な申告・決算書の作成には国税庁が公表する正式な償却率表・保証率表を用いた計算を税理士等に確認することをおすすめします。
ツールくん

余談ですが ― なぜ帳簿価額は0円ではなく1円で止まるのか

減価償却資産を計算し尽くすと、帳簿価額はゼロではなく1円で止まります。これは「備忘価額」と呼ばれる会計上のルールで、その資産がまだ会社に存在し使用中であることを帳簿上に記録し続けるための仕組みです。もし帳簿価額をゼロにしてしまうと、帳簿の上からその資産の存在自体が消えてしまい、実際にはまだ使っている設備を管理できなくなってしまいます。

この1円という金額は日本の法人税法・所得税法上の慣行で、資産を実際に廃棄・売却したタイミングで帳簿から除却し、その時点で残っていた1円を除却損として計上します。長年使い続けている社用車やオフィス機器が「帳簿上は1円」と呼ばれることがあるのは、このためです。

定額法と定率法という2つの償却方式が併存しているのは、業種や資産の性質によって費用計上のペースを合わせたいというニーズがあるからです。定率法は初期投資の負担を早期に費用化できる一方、定額法は毎年の利益予測を立てやすいというメリットがあり、企業は資産の種類ごとに国が定めたルールの範囲内でどちらかを選択(または指定)されます。