損益分岐点計算(固定費・変動費から売上高を算出)

固定費・変動費(変動費率、または販売単価と単位あたり変動費)を入力するだけで、損益分岐点売上高・販売数量・安全余裕率を無料で自動計算できるツールです。

損益分岐点計算とは

損益分岐点計算ツールは、固定費と変動費(変動費率、または販売単価・単位あたり変動費)を入力するだけで、利益がちょうどゼロになる「損益分岐点売上高」と「損益分岐点販売数量」を自動計算できる無料ツールです。中小企業診断士試験・簿記・経営分析の学習でも定番の指標で、個人事業主や中小企業の経営判断にも活用できます。

販売単価と単位あたり変動費が分かる場合は「販売単価・単位変動費から計算」モード、変動費率(売上高に占める変動費の割合)だけが分かる場合は「変動費率から計算」モードを使い分けられます。現在の売上高を入力すると、損益分岐点に対する余裕度を示す「安全余裕率」も表示されます。

使い方

  1. 計算方法を選ぶ 販売単価・単位あたり変動費が分かる場合は「単価から計算」、変動費率だけが分かる場合は「変動費率から計算」を選びます。
  2. 固定費を入力する 対象期間(月次・年次など)の固定費の合計額を入力します。
  3. 変動費に関する項目を入力する 選んだモードに応じて、販売単価・単位あたり変動費、または変動費率を入力します。
  4. (任意)現在の売上高を入力する 安全余裕率を確認したい場合は、現在の売上高も入力します。
  5. 計算結果を確認する 損益分岐点売上高・損益分岐点販売数量・限界利益率が自動的に表示されます。

使いこなすためのヒント

  • 損益分岐点売上高とは「利益がちょうどゼロになる売上高」のことです。実際の売上高がこれを上回れば黒字、下回れば赤字になります。
  • 「販売単価・単位変動費から計算」モードでは、損益分岐点となる販売数量まで具体的に分かるため、目標設定や営業計画に活用しやすくなります。
  • 固定費には家賃・人件費(固定給部分)・減価償却費など、売上の増減に関わらず一定額かかる費用を計上します。変動費には原材料費・仕入原価・販売手数料など、売上に比例して増減する費用を計上しましょう。
  • 「現在の売上高」を入力すると安全余裕率が表示されます。この値が高いほど、売上が落ち込んでも赤字に転落しにくい経営体質といえます。
  • 固定費を削減する、または変動費率を下げる(限界利益率を上げる)ことで、損益分岐点売上高を引き下げることができます。

よくある質問

利益がちょうどゼロになる売上高のことです。実際の売上高がこの金額を上回れば黒字、下回れば赤字になります。

売上の増減に関わらず一定額かかる費用(家賃・正社員の給与・減価償却費など)が固定費、売上の増減に比例して変動する費用(原材料費・仕入原価・販売手数料など)が変動費です。厳密に分けるのが難しい費用(水道光熱費など)は、実務上は変動費と固定費におおまかに按分することもあります。

限界利益率は売上高から変動費だけを差し引いた「限界利益」の割合で、固定費・変動費という費用の性質による分類です。一方、粗利率(売上総利益率)は売上高から売上原価を差し引いた割合で、勘定科目上の分類です。売上原価に変動費以外の要素(固定費的な製造間接費など)が混ざる場合、両者の値は一致しません。

固定費を削減する、変動費率を下げて限界利益率を高める、販売単価を見直す、販売数量を増やすといった方法があります。まずは固定費と変動費の内訳を洗い出し、どこに削減余地があるかを確認するとよいでしょう。
ツールくん

余談ですが ― 損益分岐点分析が経営判断に使われる理由

損益分岐点(Break-Even Point)分析は、費用を「売上の増減に関わらず一定額かかる固定費」と「売上に比例して増減する変動費」に分解し、利益がちょうどゼロになる売上高・販売数量を求める手法です。この考え方はCVP分析(Cost-Volume-Profit analysis、原価・営業量・利益分析)とも呼ばれ、経営学・簿記・中小企業診断士試験などで基礎から応用まで幅広く扱われています。

損益分岐点分析が便利なのは、単に「今赤字か黒字か」を知るだけでなく、「値上げをしたら損益分岐点はどう変わるか」「固定費を削減したらどれだけ楽になるか」といった、将来の意思決定をシミュレーションできる点です。例えば家賃の高い店舗に移転する計画がある場合、増加する固定費を吸収するために必要な追加売上高を事前に試算できます。

損益分岐点に近い状態で経営している企業は、少しの売上減少でも赤字に転落しやすく、逆に損益分岐点から離れた(安全余裕率の高い)企業は多少の変動に対しても収益体質が安定しています。飲食業や小売業のように季節変動が大きい業種では、繁忙期だけでなく閑散期の売上高でも損益分岐点を上回れるかどうかを確認しておくことが重要です。