除脂肪体重(LBM)計算ツール

体重と体脂肪率を入力するだけで、除脂肪体重(LBM)と体脂肪量を算出します。目標体脂肪率を指定すると、筋肉量を保ったまま到達に必要な体重の増減幅もシミュレーションできます。

除脂肪体重(LBM)とは

除脂肪体重(LBM: Lean Body Mass)は、体重から体脂肪を取り除いた残りの重さです。筋肉だけを指す言葉と誤解されがちですが、実際には骨・臓器・血液・水分もすべて含みます。このツールは体重と体脂肪率から除脂肪体重と体脂肪量を算出し、さらに目標体脂肪率を入力すると「除脂肪体重が変わらないと仮定した場合の目標体重」を求めます。計算式は 除脂肪体重 = 体重 ×(1 − 体脂肪率)、目標体重 = 除脂肪体重 ÷(1 − 目標体脂肪率)です。

結果を読むうえで前提を押さえてください。実際の減量では筋肉も多少落ちるため、ここで出る目標体重は「うまくいった場合」に近い目安であり、到達点の下限ではありません。また体脂肪率は測定方法によって数値が動き、家庭用の体組成計は体内の水分量に左右されます。目標を決めるときは、男性で約3〜5%、女性で約10〜13%とされる必須脂肪を下回らないようにしてください。体調や持病に関わる判断は医療機関にご相談ください。

除脂肪体重の計算方法

  1. 体重を入力する 朝起きて排尿を済ませた後など、毎回同じ条件で測った値を使うと数値が安定します。
  2. 現在の体脂肪率を入力する 体組成計の表示や測定サービスの結果を入れます。0%以上100%未満の範囲で受け付けます。
  3. 目標体脂肪率を入力する 現在より低い値を入れれば減量、高い値を入れれば増量の目安が出ます。必須脂肪を下回る値は入れないでください。
  4. 結果を読み取る 除脂肪体重・体脂肪量・目標体重・必要な増減が表示されます。増減はマイナスが減量、プラスが増量を意味します。

使いこなすためのヒント

  • 除脂肪体重(LBM)は筋肉・骨・内臓・体水分など、脂肪を除いた体の重さの合計です。「除脂肪体重を維持しながら脂肪だけを落とす」目標設定によく使われます。
  • 体脂肪率は体組成計やキャリパー(皮下脂肪測定器)で計測した値を入力してください。測定方法によって数%程度の誤差が出ることがあります。
  • 目標体脂肪率を現在より低く設定すると減量後の体重、高く設定すると増量後の体重の目安がわかります。
  • 体重だけでなく体脂肪率も定期的に記録すると、筋トレや食事管理による体組成の変化を把握しやすくなります。

除脂肪体重が役に立つ場面

減量の目標体重を決める

「何kg落とす」ではなく「体脂肪率を何%にする」から逆算できます。筋肉量を保つ前提で考えるため、極端な目標になりにくいのが利点です。

ボディメイクの進み具合を測る

体重が変わっていなくても除脂肪体重が増えていれば、筋肉が増えて脂肪が減っている状態です。体重計の数字だけでは見えない変化を追えます。

1日のタンパク質量の基準にする

栄養の指導では体重ではなく除脂肪体重1kgあたりで必要量を計算することが多く、その基準となる数値が得られます。

体組成計の数値を実感に変える

「体脂肪率25%」と言われてもピンと来ませんが、体脂肪量が何kgかを見ると、落とす対象の大きさがつかめます。

体組成の用語

除脂肪体重(LBM)
体重から体脂肪を除いた重さです。筋肉のほか骨・臓器・血液・水分を含むため、筋肉量そのものとは一致しません。
体脂肪量
体重から除脂肪体重を引いた重さで、体に蓄えられている脂肪の実重量です。減量で落とす対象はこちらになります。
体脂肪率
体重に占める脂肪の割合です。家庭用の体組成計は微弱な電流の流れにくさから推定するため、飲食・入浴・運動の直後は数値が動きます。
必須脂肪
臓器の保護やホルモンの生成に必要な、生命維持に欠かせない最低限の体脂肪です。男性で約3〜5%、女性で約10〜13%とされ、これを下回ると健康を損ないます。
目標体脂肪率での体重
除脂肪体重が変わらないと仮定して、指定した体脂肪率に到達したときの体重です。筋肉を落とさずに脂肪だけを減らせた場合の値にあたります。
必要な体重の増減
目標体重と現在の体重の差です。マイナスなら減量、プラスなら増量が必要なことを示します。

よくある質問

体重は脂肪・筋肉・骨・水分などすべてを含む重さですが、除脂肪体重は体重から体脂肪量だけを差し引いた重さです。同じ体重でも体脂肪率が低い人ほど除脂肪体重の割合が大きく、筋肉質な体型といえます。

家庭用の体組成計(生体電気インピーダンス法)、皮下脂肪厚を測るキャリパー法、DEXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)などが一般的です。測定方法によって数%程度の誤差が生じるため、同じ方法・条件で継続的に測ると変化を追いやすくなります。

現在の除脂肪体重は変わらないと仮定し、目標の体脂肪率になったときの体重を逆算しています。実際の減量・増量では筋肉量も多少変動するため、あくまで目安としてご利用ください。

体脂肪率100%は体重のすべてが脂肪という物理的にあり得ない値のため計算できません。極端に低い値(一桁台前半など)は、アスリートでもまれな水準である点に注意してください。
ツールくん

余談ですが ― 体脂肪率を測る技術の変遷

体脂肪率を推定する方法には長い歴史があります。20世紀前半にはアルキメデスの原理を応用した水中体重秤量法(Hydrostatic Weighing)が「ゴールドスタンダード」とされていました。被験者を水槽に完全に沈めて体積を測定し、脂肪組織と除脂肪組織の密度差から体脂肪率を逆算する手法で、精度は高いものの大掛かりな設備が必要でした。

1990年代以降、家庭用体組成計にも広く搭載されるようになった生体電気インピーダンス法(BIA)は、微弱な電流を体に流し、電気の通りやすさ(インピーダンス)の違いから体脂肪率を推定する方式です。脂肪組織は水分をほとんど含まないため電気を通しにくく、筋肉や血液は水分を多く含むため電気を通しやすいという性質を利用しています。手軽に測定できる一方、体内の水分量(食事・飲水・運動直後など)の影響を受けやすいため、同じタイミング・条件で継続的に測定することが推奨されます。

筋力トレーニングの世界では、除脂肪体重をできるだけ維持しながら体脂肪だけを落とす「カッティング」と、除脂肪体重(主に筋肉量)を増やすことを目的とした「バルクアップ」という2つの局面がよく語られます。単純な体重の増減だけでなく、除脂肪体重と体脂肪量の内訳を追うことで、狙った方向に体が変化しているかをより正確に把握できます。