個人のCO2排出量計算(カーボンフットプリント計算機)|車・電気・ガス・食生活から試算

カーボンフットプリント計算は、車の利用・家庭の電気とガスの使用量・食生活から、1年間に排出するCO2量の目安をまとめて試算できる無料ツールです。世界平均・日本平均・米国平均と比較しながら、暮らしの中で削減効果が大きい項目を見つけられます。

カーボンフットプリント計算とは

カーボンフットプリントとは、日常生活や事業活動によって直接・間接に排出される温室効果ガスの総量をCO2に換算した指標です。このツールは、多くの人にとって排出量の大部分を占める「車の利用」「家庭の電気・ガス」「食生活」の3分野に絞り、それぞれの入力値に公開されている平均的な排出係数を掛け合わせることで、1年間のおおまかなCO2排出量を試算します。

結果はあくまで目安です。実際の排出量は契約している電力会社の電源構成(原子力・再エネ・火力の比率)、車の実燃費、食事の具体的な内容によって大きく変わります。まずは自分の暮らしの中でどの項目が排出量に占める割合が大きいかを把握し、削減の優先順位を考える出発点として使ってください。

カーボンフットプリント計算の使い方

  1. 車の利用状況を入力する 1年間に車で走る距離(通勤・買い物・レジャーの合計)と、燃料タイプ(ガソリン・ディーゼル・ハイブリッド・EV・車を使わない)を選びます。
  2. 電気・ガスの使用量を入力する 電気料金の検針票などから月間の電気使用量(kWh)を入力し、契約している電力会社の主な電源に近い地域を選びます。都市ガスを使っている場合は月間使用量(m³)も入力します。
  3. 食生活のタイプを選ぶ 肉食の頻度に応じて6つのタイプから最も近いものを選びます。厳密な集計でなく、普段の食習慣のおおよその傾向で構いません。
  4. 結果と世界平均・日本平均との比較を確認する 項目ごとの内訳と年間合計(トン/年)が表示され、世界平均・日本平均・米国平均と並べて確認できます。

使いこなすためのヒント

  • 電気使用量は検針票の「使用量」欄(kWh)をそのまま入力すると、季節による変動も反映した現実的な試算になります。
  • 車を複数台使っている場合は、それぞれの車種で試算して合計するとより実態に近づきます。
  • 電源構成は契約している電力会社によって異なるため、再エネ比率の高いプランを契約している場合は実際の排出量はこの目安より小さくなります。
  • 食生活のタイプを1段階変えるだけでも年間排出量が数百kg単位で変わることが多く、削減効果の比較に使えます。

カーボンフットプリント計算の活用シーン

環境負荷を意識した暮らしの見直し

車・電気・食生活のどの項目が自分の排出量に占める割合が大きいかを把握し、無理のない範囲で削減できる項目から優先的に見直せます。

電力会社・プランの切り替え検討

再エネ比率の高いプランに切り替えた場合の削減効果を、電源構成の選択肢を変えて試算・比較できます。

EV・ハイブリッド車への乗り換え検討

現在の車の燃料タイプを変えて試算すると、乗り換えによる年間CO2削減量の目安が分かります。

環境教育・自由研究の題材

身近な生活データから排出量を計算する体験は、学校の環境教育や自由研究のテーマとしても使えます。

カーボンフットプリントに関する用語

カーボンフットプリント
個人や組織の活動によって直接・間接に排出される温室効果ガスの総量を、CO2に換算して表した指標です。
CO2排出係数
電気1kWhやガソリン1Lなど、活動量の単位あたりに排出されるCO2の量を表す係数です。電源構成や燃料の種類によって変わります。
CO2e(CO2換算)
メタンや一酸化二窒素など、CO2以外の温室効果ガスも含めて、同じ温室効果を持つCO2の量に換算した単位です。
電源構成
電力会社が発電に使う原子力・再生可能エネルギー・火力(石炭・LNG・石油)などの比率のことです。比率によって電気のCO2排出係数が変わります。
カーボンオフセット
自分の活動で排出したCO2量に相当する削減・吸収量を、植林や再エネ事業への投資などで埋め合わせる仕組みです。
グリーン電力プラン
太陽光・風力など再生可能エネルギー由来の電気を中心に供給する電力契約プランのことです。契約すると電気のCO2排出係数が下がります。

よくある質問

車の年間走行距離に燃料タイプ別の排出係数(km あたりのCO2量)を掛け、電気・都市ガスは月間使用量に地域別の排出係数を掛けて年換算し、食生活は1日あたりの排出量(学術研究に基づく平均値)を365日分に換算して、4項目を合計しています。

はい。走行時の排気ガスは無くても、充電に使う電気を発電する際にCO2が発生するため、電源構成に応じた排出係数で試算していますが、多くの国の平均的な電源構成ではガソリン車よりも1kmあたりの排出量は小さくなります。ただし火力発電の比率が非常に高い地域では差が縮まることがあります。

本ツールは車・電気・ガス・食生活の4項目に絞って試算しており、飛行機や公共交通機関の利用は含まれていません。旅行が多い方は、実際のカーボンフットプリントは本ツールの試算値より大きくなる可能性があります。

一般的には、走行距離を減らす・燃費の良い車やEVに切り替える、再エネ比率の高い電力プランに切り替える、肉食の頻度を減らす、といった対策の効果が比較的大きいとされています。本ツールで項目を変えながら試算し、自分の暮らしに合った現実的な対策から検討することをおすすめします。
ツールくん

余談ですが ― 「カーボンフットプリント」という言葉が広まった理由

「カーボンフットプリント」という言葉が一般に広まったきっかけの一つは、2004年から2005年にかけて石油大手BPが展開した広告キャンペーンだとされています。このキャンペーンでは個人向けの「カーボンフットプリント計算機」が公開され、CO2削減の責任を企業活動だけでなく個人の生活習慣にも結びつける発想が広まりました。企業の排出量算定が主な用途とされていた「CO2排出量計算」という言葉と違い、「カーボンフットプリント」は個人のライフスタイルを振り返るための言葉として定着していきました。

本ツールで参照している食生活別の排出量データは、英国オックスフォード大学のScarborough氏らが2014年に発表した研究に基づいています。約6万人分の食事調査データを分析した結果、肉食量の多い人はヴィーガンの人と比べて食事由来の温室効果ガス排出量がおよそ2倍に達することが示されました。この研究は、食生活の見直しが個人レベルの気候変動対策として無視できない効果を持つことを示す代表的な例としてしばしば引用されています。

電気のCO2排出係数は国や地域の電源構成によって大きく異なります。水力・原子力の比率が高いフランスやスウェーデンでは電気1kWhあたりの排出量が非常に小さい一方、石炭火力への依存度が高い国では同じ1kWhでも排出量が数倍になることがあります。同じ「電気を使う」という行為でも、住んでいる国や契約している電力プランによってカーボンフットプリントへの影響が大きく変わる点は、この分野特有の興味深い性質です。