営業利益率計算(売上高・売上原価・販管費から算出)

売上高・売上原価・販管費(または営業利益)を入力するだけで、営業利益率を無料で自動計算できるツールです。粗利率とは異なる「事業全体の収益性」を測る指標で、業種別の目安一覧付きです。

業種別の営業利益率(財務省「法人企業統計調査」2025年度)

業種 営業利益率(全規模、カッコ内は資本金1億円未満)
卸売業 2.4%(資本金1億円未満 2.9%)
小売業 2.9%(資本金1億円未満 1.5%)
運輸業 5.0%(資本金1億円未満 1.8%)
建設業 5.7%(資本金1億円未満 4.6%)
飲食サービス業 1.8%(資本金1億円未満 1.1%)
製造業 5.5%(資本金1億円未満 3.3%)
不動産業 11.5%(資本金1億円未満 8.7%)
情報通信業 8.4%(資本金1億円未満 1.0%)

※ 財務省「法人企業統計調査」年次別調査(2025年度、金融業・保険業以外、2026年9月公表)の売上高と営業利益から計算した値です(e-Stat 時系列データ)。全産業では5.4%(資本金1億円未満 3.1%)です。同じ業種でも企業規模・事業モデル・景気によって水準は大きく変わるため、同業種・同規模の企業との比較の目安としてお使いください。

営業利益率計算とは

営業利益率計算ツールは、売上高・売上原価・販管費(または算出済みの営業利益)を入力するだけで、事業の本業における収益性を示す「営業利益率」を計算できる無料ツールです。粗利率が「商品・サービスそのものの収益性」を示すのに対し、営業利益率は人件費や家賃などの間接費まで含めた「事業全体の収益性」を示します。

内訳が分かる場合は「売上高・売上原価・販管費から計算」モード、決算書などですでに営業利益が判明している場合は「売上高・営業利益から直接計算」モードを使い分けられます。

この計算に使っている参考値

以下は法令で定められた値ではなく、目安として用いている参考値です。実際の金額は事業者ごとに異なります。

値の調べ方と保ち方について(編集方針)

使い方

  1. 入力方法を選ぶ 売上原価・販管費の内訳が分かる場合は「内訳から計算」、営業利益がすでに分かっている場合は「直接計算」を選びます。
  2. 売上高を入力する 対象期間(月次・年次など)の売上高を入力します。
  3. 売上原価・販管費、または営業利益を入力する 選んだモードに応じた項目を入力します。
  4. 計算結果を確認する 営業利益率・営業利益が自動的に表示されます。

使いこなすためのヒント

  • 販管費には人件費・家賃・広告宣伝費・水道光熱費など、売上原価に含まれないすべての経費が含まれます。計上漏れがあると営業利益率が実態より高く出てしまうため注意しましょう。
  • 営業利益がマイナス(営業損失)になる場合も本ツールは計算できます。本業でどれだけの損失が出ているかを把握する際にも活用してください。
  • 「売上高・売上原価・販管費から計算」モードでは売上総利益(粗利益)も同時に表示されるため、粗利率計算ツールと合わせて使うと収益構造をより詳しく把握できます。
  • 業種によって適正な営業利益率の水準は大きく異なります。下記の業種別の目安一覧を参考に、同業他社と比較しましょう。

こんなときに使えます

値上げの効果を見積もるとき

売上が1%増えるより、原価が1%下がるほうが効くことがあります。 その差を数字で確かめられます。

同業他社と比べるとき

業種をまたいだ比較には意味がありません。 卸売は構造的に低く、ソフトウェアは高く出ます。

販管費の重さを測るとき

原価は据え置いたまま販管費だけを動かすと、どこまで許容できるかが見えます。

部門別に採算を見るとき

全社では黒字でも、部門ごとに分けると赤字が隠れていることがあります。

関連する用語

営業利益
売上高から売上原価と販管費を引いた利益です。本業だけの成果を表します。
売上原価
商品の仕入や製造に直接かかった費用です。何をここに入れるかは会社ごとの方針で決まります。
販管費
販売費および一般管理費。人件費・広告費・家賃など、本業を回すための費用です。
粗利率
売上総利益(売上高−売上原価)の割合です。販管費を引く前の段階を見る指標です。
経常利益率
営業利益に営業外の収支を加減した割合です。借入の重さがここで初めて現れます。
回転率
資産がどれだけ売上を生んだかの指標です。利益率が高くても回転率が低ければ、資産あたりの稼ぎは伸びません。

よくある質問

粗利率は売上高から売上原価だけを差し引いた粗利益の割合です。営業利益率はそこからさらに人件費・家賃などの販管費まで差し引いた後の割合で、事業全体の収益性をより正確に反映します。

営業利益率は本業のみの収益性、経常利益率はそこに受取利息や支払利息などの営業外損益まで加えた収益性を示します。本業の実力を見たい場合は営業利益率、財務活動を含めた総合力を見たい場合は経常利益率を確認するとよいでしょう。

業種によって適正水準は大きく異なるため一概にはいえませんが、一般的に5%を超えると優良、10%を超えると非常に高収益とされることが多いです。ただしこれは公的な基準ではない慣用的な目安なので、必ず同業種内で比較してください。

営業利益がマイナスは「営業損失」の状態で、本業の売上だけでは経費をまかなえていないことを意味します。売上原価・販管費のどちらが負担になっているかを内訳から確認し、コスト構造の見直しを検討しましょう。
ツールくん

余談ですが ― 営業利益率が「本業の実力」を映す理由

営業利益率は、売上高から売上原価と販管費(販売費及び一般管理費)を差し引いた「営業利益」の割合を示す指標です。損益計算書上では、営業外収益・営業外費用(受取利息・支払利息など、本業以外で生じる収支)や特別損益(固定資産売却益など、一時的な損益)を含める前の段階の利益にあたるため、「本業でどれだけ稼ぐ力があるか」を最も素直に反映する指標とされています。

これに対して粗利率(売上総利益率)は、仕入れや製造にかかった原価だけを差し引いた段階の指標で、人件費や家賃といった間接費はまだ考慮されていません。同じ「利益率が高い」という結果でも、粗利率が高いのに営業利益率が低い企業は、間接費の負担が重いことが分かります。両方を並べて確認することで、どの段階でコストがかさんでいるのかを切り分けられます。

財務省の法人企業統計(2025年度)で見ると、全産業の営業利益率は5.4%、資本金1億円未満の企業では3.1%です。卸売業は2%台にとどまる一方、不動産業は11.5%と高く、情報通信業は全規模では8.4%あっても資本金1億円未満の企業に限ると1.0%と、同じ業種でも企業規模によって水準が大きく違います。異業種同士を単純比較せず、同業種・同規模の企業との比較や自社の推移の確認に使うのが実務上のセオリーです。