免税事業者からの仕入れ 経過措置(80%/70%/50%/30%控除)計算

仕入日・支払対価・税率区分・年間累計額を入力するだけで、免税事業者等(インボイス未登録事業者)からの課税仕入れに係る経過措置の控除割合(80%/70%/50%/30%/控除不可)を自動判定し、みなし仕入税額を無料で試算できるツールです。

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免税事業者からの仕入れ 経過措置計算とは

免税事業者からの仕入れ 経過措置計算ツールは、仕入日・支払対価・税率区分・年間累計額を入力するだけで、免税事業者等(インボイス未登録事業者)からの課税仕入れに適用される経過措置の控除割合を自動判定し、みなし仕入税額を試算できるツールです。

インボイス制度では、適格請求書発行事業者以外からの仕入れは原則として仕入税額控除の対象外になりますが、急激な負担増を避けるため、2023年10月から段階的に控除割合を縮小する経過措置が設けられています。2026年3月の税制改正でスケジュールが80%→70%→50%→30%→0%の5段階・8年間に組み替えられ、2026年10月以降は年間1億円の上限も加わったため、仕入日ごとに適用条件が変わる複雑な判定を自動化します。

使い方

  1. 仕入日を入力する 経過措置の対象となる、免税事業者等からの課税仕入れが発生した日を入力します。仕入日に応じて控除割合が自動判定されます。
  2. 消費税率を選ぶ 標準税率10%・軽減税率8%のどちらが適用される仕入れかを選択します。
  3. 今回の支払対価(税込)を入力する 免税事業者等に実際に支払った金額(税込)を入力します。
  4. 年間累計額を入力する 今回の取引を含めた、当年・当事業年度における免税事業者等からの課税仕入れの合計額(税込)を入力します。2026年10月以降の期間で1億円の上限判定に使われます。
  5. 控除割合とみなし仕入税額を確認する 仕入日が該当する経過措置の区分・控除割合・実際に控除できるみなし仕入税額が表示されます。

使いこなすためのヒント

  • この経過措置の対象は、インボイス(適格請求書)を発行できない免税事業者等からの課税仕入れです。適格請求書発行事業者からの仕入れは通常どおり全額が仕入税額控除の対象になり、この計算は不要です。
  • 控除割合は仕入日を基準に判定されます。同じ取引先からの仕入れでも、決算をまたぐと控除割合が変わることがあるため、請求書ごとに仕入日を確認してください。
  • 2026年10月以降に適用される1億円の年間上限は、免税事業者等からの課税仕入れの合計額(税込)で判定します。適格請求書発行事業者からの仕入れは、この累計額に含めません。
  • この経過措置の適用を受けるには、区分記載請求書等と同様の事項が記載された帳簿の保存に加えて、経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨を帳簿に記載する必要があります。
  • 本ツールは試算目的の簡易計算です。実際の消費税申告では、課税仕入れごとの積み上げ計算や複数税率の混在など、より詳細な集計が必要になる場合があります。

活用シーン

免税事業者との取引継続の判断

取引先が免税事業者のままの場合に、経過措置でどこまで仕入税額控除を受けられるかを事前に試算し、取引条件の見直しが必要かを判断できます。

決算期をまたぐ取引の控除割合確認

2026年10月や2028年10月など控除割合の切り替わり時期をまたぐ取引について、仕入日ごとに異なる控除割合を個別に確認できます。

年間上限(1億円)への到達状況の把握

免税事業者等からの仕入れが多い事業者が、年間累計額を入力して1億円の上限にどこまで近づいているかを把握できます。

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用語集

経過措置
インボイス制度導入に伴う急激な負担増を緩和するため、免税事業者等からの課税仕入れについて一定期間・一定割合を仕入税額とみなして控除できる時限的な制度です。
免税事業者
消費税の納税義務が免除されている事業者のことです。適格請求書発行事業者に登録できないため、免税事業者からの仕入れは原則として仕入税額控除の対象外になります。
みなし仕入税額
免税事業者等からの課税仕入れについて、経過措置により仕入税額控除の対象とみなされる金額のことです。支払対価×税率換算係数×経過措置の割合で計算します。
原則課税
実際に支払った課税仕入高を集計し、課税売上に係る消費税額から実額で控除する消費税の本則の計算方式です。この経過措置は原則課税を選択している事業者が対象です。
年間1億円の上限
2026年10月以降適用される70%/50%/30%控除の期間について、免税事業者等からの課税仕入れの年間合計額(税込)のうち1億円を超える部分には経過措置が適用されないという制限です。

よくある質問

適格請求書発行事業者に登録していない免税事業者等からの課税仕入れが対象です。適格請求書発行事業者からの仕入れは、この経過措置に関係なく通常どおり全額が仕入税額控除の対象になります。

仕入日を基準に、2023年10月〜2026年9月は80%、2026年10月〜2028年9月は70%、2028年10月〜2030年9月は50%、2030年10月〜2031年9月は30%、2031年10月以降は0%(控除不可)と段階的に縮小します。

2026年10月以降に適用される70%/50%/30%控除の期間で、免税事業者等からの課税仕入れの年間合計額(税込)が1億円を超える事業者が対象です。超えた部分の課税仕入れには経過措置が適用されず、控除できません。

2026年3月に成立した令和8年度税制改正で現在のスケジュールが確定していますが、税制は今後の改正で見直される可能性があります。実際の申告にあたっては、必ず国税庁の最新の発表を確認してください。

いいえ。簡易課税制度は業種ごとのみなし仕入率で仕入税額控除を計算するため、個々の仕入先が適格請求書発行事業者かどうかを問いません。この経過措置は原則課税(実額控除)を選択している事業者が対象です。
ツールくん

余談ですが ― なぜ経過措置は「段階的」に縮小するのか

2023年10月にインボイス制度が始まった際、免税事業者等からの仕入れが一気に全額控除不可になれば、取引先が免税事業者であるというだけの理由で、多くの課税事業者が急激な税負担増に直面してしまいます。そこで6年間(2023年10月〜2029年9月)かけて80%→50%→0%と段階的に縮小する経過措置が用意され、取引慣行を見直す猶予期間とされました。

ところが令和8年度税制改正(2026年3月31日成立)で、このスケジュールはさらに緩やかな8年間(2023年10月〜2031年10月)・5段階(80%→70%→50%→30%→0%)へ組み替えられました。背景には、インボイス制度導入後も免税事業者との取引を続ける中小事業者が想定より多く、急な負担増への懸念が根強かったことがあるとされています。

同時に導入された1億円の年間上限は、この負担緩和措置が大規模事業者の税負担軽減に使われすぎないよう歯止めをかける仕組みです。免税事業者等からの仕入れが年間1億円を超えるような事業者は限られるため、実務上の影響を受けるのは主に大口の仕入れを行う一部の事業者に限られると見込まれています。

経過措置が最終的にゼロになる2031年10月は、インボイス制度の開始から丸8年が経過するタイミングです。この頃には免税事業者から適格請求書発行事業者への転換や、取引先の見直しがある程度進んでいることが期待されており、経過措置は「制度への軟着陸」を目的とした時限的な仕組みだといえます。

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