請求書・見積書作成ツール(無料PDF保存)
請求書・見積書を無料で作成できます。自社名・請求先・品目・数量・単価・税率を入力するとA4のプレビューがそのまま組み上がり、ブラウザの印刷機能からPDFとして保存できます。インボイス(適格請求書)の登録番号と税率ごとの内訳、源泉徴収税額の計算にも対応し、入力内容はサーバーへ送信しません。
請求書作成ツールとは
請求書作成ツールは、請求書と見積書をブラウザ上で組み立て、そのままPDFとして保存できる無料のツールです。自社名・請求先・品目・数量・単価・税率を入力すると、右側のA4プレビューが即座に更新されます。表計算ソフトのテンプレートのように行や列がずれることがなく、印刷したときの見た目を確認しながら仕上げられます。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)に合わせ、適格請求書発行事業者の登録番号の記載欄と、税率ごとに区分した対価の額・消費税額の内訳表を備えています。消費税額は明細ごとではなく税率ごとに1回だけ端数処理する方式で計算するため、記載要件に沿った金額になります。個人事業主向けに源泉徴収税額(10.21%、100万円を超える部分は20.42%)の自動計算にも対応しています。
会員登録もファイルのアップロードも必要ありません。入力した内容はブラウザの外へ出ることがなく、下書きはお使いの端末にだけ保存されます。取引先の名前や金額といった機微な情報を、どこかのサーバーに預けずに書類を作れます。
請求書の作り方(使い方)
- 書類の種類と番号を決める 請求書か見積書かを選び、書類番号・発行日・お支払期限(見積書なら有効期限)を入力します。番号は「INV-2026-001」のような連番にしておくと、あとから取引を探しやすくなります。
- 自社と請求先の情報を入れる 自社名・住所・連絡先を入力します。インボイスを発行する場合は「T」+13桁の登録番号も記載します。請求先には「御中」「様」などの敬称を選べます。
- 品目を1行ずつ追加する 品目名・数量・単位・単価・税率を入力します。「品目を追加」で行を増やし、矢印ボタンで並び順を入れ替えられます。軽減税率の対象があれば8%の行を追加してください。
- 合計と端数処理を確認する プレビューに小計・税率ごとの消費税・合計が表示されます。1円未満の端数処理は切り捨て・四捨五入・切り上げから選べます。源泉徴収が必要な報酬なら、チェックを入れると差引請求額まで計算されます。
- 印刷してPDFとして保存する 「印刷してPDF保存」を押すと印刷画面が開きます。送信先(プリンター)で「PDFに保存」を選ぶと、書類だけのPDFファイルができます。
使いこなすためのヒント
- 印刷画面で余白(マージン)を「なし」または「デフォルト」にしておくと、プレビューどおりのレイアウトでA4に収まります。ヘッダーとフッターの出力をオフにすると、ページ番号やURLが入らないきれいな書類になります。
- 書類番号は「INV-2026-001」のように年+連番にしておくと、あとから探しやすく、取引先から問い合わせを受けたときにも特定が簡単です。見積書から請求書に切り替えるときは番号を付け替えておきましょう。
- 軽減税率(8%)の対象は飲食料品と定期購読の新聞に限られます。会議用の弁当や手土産の菓子折りを立て替えている場合は、10%の行と分けて記載してください。税率ごとの内訳表は自動で作られます。
- 振込手数料をどちらが負担するかは、備考欄に一言書いておくとあとの行き違いを防げます。振込先の口座名義はカタカナ表記(カ)サンプル、など)も添えておくと親切です。
- 請求書に押印する法的な義務はありませんが、取引先の社内ルールで求められることがあります。その場合はPDFに保存してから電子印鑑を重ねるか、印刷して押印してください。
- 同じ取引先に毎月請求する場合は、下書きが自動保存されるので日付と番号だけ書き換えれば次の月の請求書になります。別の取引先に切り替えるときは「リセット」で消してから入力してください。
こんなときに使えます
フリーランス・個人事業主が報酬を請求する
デザイン料・原稿料・システム開発費などを請求するときに使えます。源泉徴収のチェックを入れると、税抜金額から10.21%(100万円超の部分は20.42%)を差し引いた実際の入金額まで表示されます。
インボイス(適格請求書)として発行する
登録番号を記載し、税率ごとに区分した対価の額と消費税額を載せた形式で出力できます。取引先が仕入税額控除を受けるために必要な項目を、書式を調べ直さずに満たせます。
見積書を出してから請求書に切り替える
見積書として作った内容をそのまま請求書へ切り替えられます。品目を入力し直す必要がなく、書類番号と日付だけ更新すれば発行できます。
軽減税率と標準税率が混ざる請求をする
ケータリングの手配や物販を含む請求で、8%と10%の品目が混在する場合に使えます。税率ごとの小計・消費税額が自動で分かれるため、手作業での集計ミスを防げます。
海外の取引先へ英語の請求書を送る
通貨をUSD・EURなどに切り替えると、金額の書式が通貨に合わせて変わります。英語ページから使えば書類上のラベルも英語になるため、そのまま海外向けのインボイスとして送れます。
請求書まわりの用語集
- 適格請求書(インボイス)
- 売り手が買い手に対し、適用税率や消費税額などを正確に伝えるための請求書です。買い手はこれを保存することで仕入税額控除を受けられます。登録番号・税率ごとに区分した対価の額・税率ごとの消費税額などの記載が必要です。
- 登録番号
- 適格請求書発行事業者として税務署の登録を受けた事業者に割り当てられる番号です。「T」に続く13桁の数字で、法人の場合は法人番号がそのまま使われます。
- 軽減税率
- 標準税率10%に対し、8%が適用される制度です。対象は酒類・外食を除く飲食料品と、週2回以上発行される定期購読の新聞に限られます。
- 源泉徴収税額
- 個人に対して報酬・料金を支払う側が、あらかじめ差し引いて国に納める所得税等です。原稿料やデザイン料などは支払金額の10.21%(100万円を超える部分は20.42%)が目安になります。
- 端数処理
- 消費税額に生じた1円未満の端数を切り捨て・四捨五入・切り上げのいずれかで処理することです。適格請求書では1つの書類につき税率ごとに1回しか行えません。
- 御中と様
- 宛名に付ける敬称です。会社・部署など組織あてには「御中」、担当者個人あてには「様」を使い、両方を重ねては使いません。
- 見積書
- 取引の前に金額や条件を示す書類です。請求書と記載項目はほぼ同じですが、支払期限ではなく見積りの有効期限を記載します。
よくある質問
余談ですが ― 「インボイス」はもともと商人の荷送り状でした
英語の invoice(インボイス)は、フランス語で「送ること」を意味する envoi の複数形 envois が語源だといわれています。もともとは商品を送り出すときに添える荷送り状、つまり「何をいくつ送ったか」を書いた一覧表でした。金額を請求するための書類というより、荷物の中身を確かめるための明細だったわけです。現在の請求書に品目・数量・単価の列が必ず並んでいるのは、この出自の名残とも言えます。
一覧表にすぎなかった書類が会計の中心に据えられたのは、ルネサンス期のイタリア商人たちが複式簿記を発達させてからです。1494年にルカ・パチョーリがまとめた数学書の一節が、当時ヴェネツィアの商人が使っていた記帳法を体系的に紹介したものとして知られています。取引を借方と貸方の両面から記録するこの方法では、証拠となる書類がそろっていることが前提になります。請求書に通し番号を振る習慣も、あとから取引を1件ずつ追えるようにするために定着していきました。
請求書が税制と結びついたのはさらにあとのことです。1954年にフランスで付加価値税(VAT)が導入されると、事業者は仕入れの際に支払った税額を差し引いて納税するようになりました。このとき「いくら税を負担したか」を証明する書類として、税率と税額を明記した請求書=VATインボイスが必要になります。ヨーロッパで長く運用されてきたこの仕組みが、日本で適格請求書等保存方式として始まったのが2023年10月のことでした。登録番号や税率ごとの内訳といった見慣れない記載事項も、たどっていけば数百年の商習慣の延長線上にあります。
ちなみに、日本の請求書に押印する法的な義務はありません。それでも角印を押した請求書が多いのは、印章が「この書類は確かに当社が発行したものです」という表明として長く機能してきたからです。電子データでやり取りするようになった今は、その役割の一部を登録番号や電子署名が担い始めています。荷送り状から始まった1枚の紙が、時代ごとに違う「証明の道具」を身にまとってきた、と考えると少し面白い書類です。