介護保険料計算(65歳以上・第1号被保険者)

65歳以上(介護保険第1号被保険者)の介護保険料を、世帯の住民税課税状況と所得金額から所得段階別に概算します。国の標準13段階モデルで、年額・月額の目安がすぐわかります。

介護保険料 標準13段階モデル(令和6〜8年度)

国が示す第1号保険料の標準13段階と、全国平均の基準額(月額6,225円)を掛け合わせた年額・月額の目安です。実際の段階数・乗率は市区町村ごとに公表されている値をご確認ください。

所得段階 乗率 年額(目安) 月額(目安) 対象となる人の目安
第1段階 ×0.285 21,289 円 1,774 円 生活保護受給者等/世帯全員非課税で合計所得金額+課税年金収入が82.65万円以下
第2段階 ×0.485 36,230 円 3,019 円 世帯全員非課税で合計所得金額+課税年金収入が82.65万円超120万円以下
第3段階 ×0.685 51,170 円 4,264 円 世帯全員非課税で合計所得金額+課税年金収入が120万円超
第4段階 ×0.9 67,230 円 5,603 円 本人非課税・世帯に課税者ありで合計所得金額が82.65万円以下
第5段階 ×1 74,700 円 6,225 円 本人非課税・世帯に課税者ありで合計所得金額が82.65万円超(基準額)
第6段階 ×1.2 89,640 円 7,470 円 本人課税で合計所得金額120万円未満
第7段階 ×1.3 97,110 円 8,093 円 本人課税で合計所得金額120万円以上210万円未満
第8段階 ×1.5 112,050 円 9,338 円 本人課税で合計所得金額210万円以上320万円未満
第9段階 ×1.7 126,990 円 10,583 円 本人課税で合計所得金額320万円以上420万円未満
第10段階 ×1.9 141,930 円 11,828 円 本人課税で合計所得金額420万円以上520万円未満
第11段階 ×2.1 156,870 円 13,073 円 本人課税で合計所得金額520万円以上620万円未満
第12段階 ×2.3 171,810 円 14,318 円 本人課税で合計所得金額620万円以上720万円未満
第13段階 ×2.4 179,280 円 14,940 円 本人課税で合計所得金額720万円以上

出典: 厚生労働省「第9期介護保険事業計画期間における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について」(令和6年5月14日公表)、および標準13段階の乗率を採用する自治体の公表資料(例: 千葉県九十九里町)。

介護保険料(65歳以上)計算とは

65歳以上の方(介護保険第1号被保険者)が納める介護保険料は、会社員が給与から天引きされる介護保険料(40〜64歳・第2号被保険者分)とは仕組みが異なり、市区町村が3年ごとに定める「基準額」に、本人・世帯の住民税課税状況と所得金額に応じた「所得段階別の乗率」を掛けて決まります。年金からの天引き(特別徴収)か、納付書・口座振替(普通徴収)のいずれかで納めます。

基準額・段階数は市区町村ごとに異なり、最も高い自治体と低い自治体では2倍以上の開きがあります。このツールは国が示す標準13段階の乗率と全国平均の基準額を参考モデルとして使い、世帯の課税状況と所得金額から所得段階・年額・月額の目安をすぐに算出します。実際の金額はお住まいの市区町村から届く通知書でご確認ください。

この計算に使っている基準

税率・保険料率などの法定の値は、次の公的機関が公表しているものを使用しています。制度改正により変わることがあるため、重要な判断をされる際は一次情報もあわせてご確認ください。

  • 介護保険料(65歳以上・第1号被保険者)の全国平均基準額・標準13段階の乗率 厚生労働省 2024-04〜2027-03 適用 / 最終確認 2026-09-11

介護保険料の目安を計算する手順

  1. 世帯の住民税課税状況を選ぶ 生活保護受給者・世帯全員非課税・本人のみ非課税・本人課税の4区分から、当てはまるものを選びます。
  2. 所得金額を入力する 選んだ区分に応じて、合計所得金額(+非課税世帯の場合は公的年金等の課税年金収入額)を円単位で入力します。
  3. 所得段階と保険料の目安を確認する 該当する所得段階(第1〜13段階)と、年額・月額の目安がその場で表示されます。

使いこなすためのヒント

  • 40〜64歳(第2号被保険者)の介護保険料は健康保険料に上乗せして計算されますが、65歳以上(第1号被保険者)は市区町村が個別に算定する仕組みに変わるため、会社員時代とは金額の考え方が大きく変わります。
  • 年金額が年額18万円以上の方は、原則として年金から自動的に差し引かれる「特別徴収」になります。18万円未満の方は納付書や口座振替で納める「普通徴収」です。
  • 所得段階は毎年見直されるため、年金収入や合計所得金額が変わった年は段階も変動する可能性があります。
  • 介護保険料を滞納すると、介護サービスを利用する際の自己負担割合が引き上げられる等のペナルティがあるため、早めの確認をおすすめします。

介護保険料の活用シーン

65歳の誕生日を控えて自己負担額を把握したい

会社員時代の天引きから、年金天引き・納付書払いへ切り替わる前に、月々の負担がどう変わるかを事前に確認できます。

親の年金からいくら引かれているか確認したい

離れて暮らす親の年金収入と課税状況がわかれば、通知書が届く前におおよその所得段階と保険料を見積もれます。

退職・転居前に保険料の変化を試算したい

退職金や年金の受給開始で所得段階が変わる場合や、基準額の異なる自治体への転居を検討する際の目安として使えます。

届いた通知書の金額が正しいか大まかに検算したい

実際の金額は自治体独自の段階・基準額で決まりますが、国の標準モデルとの差がどの程度かを把握する参考になります。

用語集

第1号被保険者
65歳以上の介護保険加入者のこと。市区町村が定める基準額と所得段階に応じた保険料を、原則として年金から天引きされる形で納めます。
第2号被保険者
40〜64歳の医療保険加入者のこと。介護保険料は加入している健康保険料に上乗せされて徴収され、本ツールの対象外です。
基準額
市区町村が3年ごとに、地域の介護サービス費用の見込みから算定する保険料の基準となる金額。所得段階「基準額(乗率1.0)」に該当する人が実際に納める年額に相当します。
所得段階
本人・世帯の住民税課税状況と所得金額に応じて保険料を区分する仕組み。段階が上がるほど基準額に対する乗率が高くなります。
合計所得金額
給与所得・事業所得・年金所得(公的年金等控除後)など各種所得を合算した金額。所得控除(社会保険料控除・基礎控除等)を差し引く前の金額を指します。
特別徴収・普通徴収
特別徴収は年金からの天引き、普通徴収は納付書や口座振替による納付方法。年金額が年額18万円以上かどうかで自動的に区分されます。

よくある質問

65歳以上の第1号被保険者である限り、生涯にわたって納め続けます。40〜64歳の第2号被保険者のように会社を退職すれば終わるものではありません。

金額自体は変わりません。年金額が年額18万円以上かどうかで自動的に決まる仕組みで、本人が選ぶことはできません(年度の途中で年金の受給が始まった場合等は一時的に普通徴収になることがあります)。

はい。介護保険料は世帯単位ではなく被保険者本人ごとに所得段階が決まり、それぞれの年金や納付書から個別に徴収されます。

介護保険は市区町村が運営する仕組みのため、地域の高齢化率・介護サービスの利用状況・施設の整備状況によって必要な費用が変わり、それが基準額の差(最大約2.7倍)に直結します。
ツールくん

余談ですが ― 介護保険料が「第1号」と「第2号」に分かれている理由

介護保険料の仕組みを調べると「第1号被保険者」「第2号被保険者」という聞き慣れない言葉に出会います。これは2000年に介護保険制度が始まった際、財源を「65歳以上の高齢者本人の保険料」と「40〜64歳の現役世代が加入する医療保険料への上乗せ」の二本立てで支える設計にしたことに由来します。65歳以上を第1号、40〜64歳を第2号と呼ぶのは、制度上の加入順というより、給付を受ける可能性が高い高齢者層を第1号として先に位置づけたためです。

第1号保険料が市区町村ごとの基準額×所得段階という個人単位の仕組みになっているのは、介護保険の運営主体が市区町村(保険者)だからです。3年に一度、地域の高齢者数やサービス利用の見込みをもとに介護保険事業計画を策定し、必要な費用から基準額を逆算します。そのため人口が少なく高齢化率が高い自治体ほど基準額が上がりやすく、都市部でも施設整備が進んでいる地域は基準額が高くなる傾向があります。

所得段階が9段階から13段階、自治体によってはさらに18段階以上へと細分化されてきた背景には、「低所得の高齢者の負担を抑えつつ、負担能力のある高所得層により多く負担してもらう」という所得再分配の考え方の強化があります。年金収入だけで暮らす高齢者にとって保険料の負担感は軽くありませんが、細かい段階分けによって、生活保護受給者や低年金の方の保険料はかなり低く抑えられる設計になっています。