住民税計算シミュレーション(前年所得から算出)
前年の給与収入・配偶者控除・扶養人数を入力すると、今年度に課税される住民税(所得割・均等割・森林環境税)を無料で試算。転職・退職直後の手取り予測のズレも確認できます。
住民税計算シミュレーションとは
このツールは、前年の給与収入・配偶者控除の有無・扶養家族数を入力するだけで、今年度に課税される住民税額(所得割・均等割・森林環境税)を試算できる計算機です。住民税は所得税と異なり「前年の所得」に対して課税されるため、転職・退職・給与の大幅な増減があった年は、今年の手取り予測と実際の住民税額がずれやすいという特徴があります。
所得割(課税所得の10%、調整控除適用後)・均等割(市町村3,000円+都道府県1,000円)・森林環境税(国税1,000円、2024年度から均等割と合わせて徴収)の3つを内訳として表示するため、給与から天引きされる「住民税」の内部構成を確認したい人にも役立ちます。
使い方
- 前年の給与収入を入力する 源泉徴収票の「支払金額」欄に記載された、前年1年間の給与収入(年収)を万円単位で入力します。
- 配偶者控除の有無を選ぶ 配偶者の所得が一定以下で配偶者控除の対象になる場合は「あり」を選びます。
- 扶養家族の人数を入力する 一般扶養(16歳以上の扶養家族)・特定扶養(19〜22歳)の人数をそれぞれ入力します。
- 生命保険料控除を入力する(任意) 前年の源泉徴収票や年末調整結果に記載された、住民税の生命保険料控除額を入力するとより正確になります。
- 結果を確認する 所得割・均等割・森林環境税を合計した今年度の住民税額が自動的に表示されます。
使いこなすためのヒント
- 住民税は前年の所得に基づくため、今年退職・転職して収入が減っても、前年の所得が高ければ住民税額は変わりません。退職前に納税資金を確保しておくと安心です。
- 一定所得以下の世帯は均等割・所得割の全部または一部が非課税になる制度があります。自治体ごとに基準が異なるため、境界線に近い場合はお住まいの市区町村へ確認してください。
- ふるさと納税を行うと、寄付額から2,000円を除いた金額が所得割から控除される場合があります。控除上限額は money.salary_tax.furusato(ふるさと納税上限額シミュレーション)で確認できます。
- 一部の自治体(例: 横浜市の「横浜みどり税」)は標準税率に独自の税率を上乗せしています。本ツールは全国共通の標準税率のみを反映しています。
- 住民税は6月に「住民税決定通知書」で確定額が通知されます。本ツールの結果と大きく異なる場合は、お住まいの自治体独自の制度が影響している可能性があります。
こんなときに使えます
転職・退職直後の手取り予測
前職の給与を基準に翌年課税される住民税額を把握し、退職後の生活費計画に役立てられます。
育休・休職からの復帰後の住民税確認
休職中も前年の所得に基づいて住民税が課税されるため、収入が減った年の負担感を事前に把握できます。
ふるさと納税前の現在の住民税額の確認
ふるさと納税の控除上限額を計算する前に、まず今年度の住民税額そのものを把握したい場合に使えます。
年収交渉・転職先検討時の税負担比較
年収の異なる複数のシナリオで住民税額を比較し、手取りへの影響を確認できます。
用語集
- 所得割
- 住民税のうち、前年の課税所得に応じて金額が変わる部分。都道府県民税4%+市町村民税6%の合計10%(調整控除適用後)で計算されます。
- 均等割
- 住民税のうち、所得の多寡にかかわらず一律で課税される部分。標準額は市町村民税3,000円+都道府県民税1,000円の合計4,000円です。
- 森林環境税
- 2024年度から新設された国税で、年額1,000円。住民税の均等割と合わせて徴収されるため、実質的な負担感は従来の均等割と変わりません。
- 調整控除
- 住民税は所得税より人的控除(基礎控除・配偶者控除・扶養控除等)の額が低いため、その差額の一部を税額から差し引く仕組み。課税所得が200万円を超えると控除額が逓減します。
- 前年課税
- 住民税が前年1〜12月の所得に対して計算され、翌年6月から翌々年5月にかけて納付・徴収される仕組み。退職・転職直後は今の収入と課税額がずれる主な原因です。
- 住民税非課税
- 一定所得以下の場合、均等割・所得割の一方または両方が免除される制度。自治体ごとに基準額が異なるため、本ツールでは反映していません。
よくある質問
余談ですが ― なぜ住民税は「後払い」なのですか?
会社員の給与から毎月天引きされる税金には所得税と住民税がありますが、この2つは課税のタイミングが大きく異なります。所得税はその月の給与に応じてリアルタイムで計算されるのに対し、住民税は前年1年間の所得が確定したあとに算出され、6月から翌年5月までの12回に分けて天引きされます。つまり今年6月から天引きされている住民税は、実は前年の所得に基づく「後払い」なのです。
この仕組みは、住民税が都道府県・市区町村の行政サービス(ごみ収集・道路整備・教育など)の財源であり、正確な所得を確定させた上で公平に配分する必要があるという事情に由来します。所得税のように速報性を重視するのではなく、確定した所得情報に基づいて金額を決める方式が採用されました。
この後払いの仕組みが最も実感されるのは、退職・転職・独立などで収入が大きく変わったタイミングです。会社を辞めた翌年も、前年に会社員として得ていた収入に基づいて住民税の請求が届くため、「収入が減ったのに住民税だけ高い」という状況が生まれます。転職・退職を予定している人は、この1年遅れの請求を見越して資金を確保しておくことが安心につながります。
なお、2024年度からは新たに「森林環境税」という国税が年額1,000円、住民税の均等割と合わせて徴収されるようになりました。これは2014年度から続いていた東日本大震災の復興財源としての上乗せ分(同じく年額1,000円)が終了したのと同時期に始まったもので、実質的な負担額は大きく変わっていません。