傷病手当金計算
標準報酬月額の平均額と休業日数を入力するだけで、健康保険から支給される傷病手当金の見込み額を自動計算。待期期間3日を除いた支給対象日数、支給期間の上限(通算1年6か月)も自動で反映されます。
傷病手当金計算とは
このツールは、健康保険から支給される傷病手当金の見込み額を、標準報酬月額の平均額と休業日数を入力するだけで自動計算する無料ツールです。待期期間3日を除いた支給対象日数、支給期間の上限(通算1年6か月)も自動で反映されるため、実際に受け取れる金額のおおよそのイメージを短時間でつかめます。
傷病手当金は健康保険法に基づく給付で、業務外の病気やけがで働けなくなった加入者の生活を支える制度です。支給額の計算式(標準報酬月額の平均額÷30×3分の2)や待期期間の考え方は複雑に感じられがちですが、必要な2つの数値を入力するだけで内訳まで確認できます。
この計算に使っている基準
税率・保険料率などの法定の値は、次の公的機関が公表しているものを使用しています。制度改正により変わることがあるため、重要な判断をされる際は一次情報もあわせてご確認ください。
- 傷病手当金の支給率・支給期間 — 全国健康保険協会(協会けんぽ) 2022-01 以降適用 / 最終確認 2026-10-18
傷病手当金計算の使い方
- 標準報酬月額の平均額を入力する 支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均額を、健康保険組合や協会けんぽの通知書で確認して入力します。
- 休業日数を入力する 労務不能となった日から数えた休業日数を、待期期間の3日を含めて入力します。
- 計算結果を確認する 1日あたりの支給額・待期期間・支給対象日数・見込み総額が自動的に表示されます。
- 上限日数の適用有無を確認する 休業日数が長期にわたる場合、支給期間の上限(通算1年6か月)が適用されているかを結果欄で確認します。
使いこなすためのヒント
- 標準報酬月額は給与明細ではなく、勤務先や健康保険組合が発行する「標準報酬月額決定通知書」で確認できます。不明な場合は総務・人事担当者に確認してください。
- 待期期間の3日間は、有給休暇・公休日・欠勤のいずれでもよく、連続していれば土日祝日を挟んでも問題ありません。ただし3日間が途切れると待期は完成しません。
- 2022年1月1日以降は支給期間が「通算」化されたため、一度職場復帰してから同じ病気で再度休業した場合も、復帰していた期間は支給期間のカウントから除外されます。
- 出産手当金(産休期間中に健康保険から支給される給付)は傷病手当金と支給率が同じ3分の2ですが、支給対象となる休業の理由と上限日数が異なる別制度です。
活用シーン
休職前の生活設計
病気やけがで長期休職する前に、傷病手当金でどの程度の収入が確保できるかを把握し、生活費の計画を立てるのに使えます。
休職中の家計シミュレーション
休業が長引きそうな場合に、支給対象日数や上限日数を踏まえて、今後の見込み総額を試算できます。
傷病手当金と出産手当金の比較検討
支給率が同じ3分の2である出産手当金と条件面でどう違うのかを整理する際の参考になります。
人事・総務担当者の説明資料
従業員から休職中の手当額について質問を受けた際、概算値を示しながら制度を説明するのに活用できます。
用語集
- 標準報酬月額
- 社会保険料の計算の基礎となる、被保険者の報酬を一定の等級に区分した金額。給与明細ではなく「標準報酬月額決定通知書」で確認できます。
- 待期期間
- 傷病手当金の支給が始まる前の、連続する3日間の休業期間。この期間は支給対象外です。
- 支給対象日数
- 待期期間の3日を除いた、実際に傷病手当金が支給される日数。
- 通算1年6か月
- 2022年1月1日の制度改正で導入された支給期間の上限の考え方。途中で職場復帰していた期間は通算対象から除外されます。
- 出産手当金
- 産休期間中に健康保険から支給される給付。支給率は傷病手当金と同じ3分の2ですが、対象となる休業理由が異なります。
よくある質問
余談ですが ― 傷病手当金と出産手当金が同じ「3分の2」を採用している理由
傷病手当金の支給率が標準報酬日額の3分の2に設定されているのは、健康保険法が「療養のため働けない期間の生活費を一定水準で保障する」という考え方に基づいているためです。全額を保障すると就労インセンティブが下がるおそれがあるため、一定の自己負担を残す設計になっています。この支給率は後に出産手当金にもそのまま採用され、同じ健康保険法の枠組みで統一された給付率として運用されています。
待期期間が3日間に設定されている背景には、短期間の風邪や軽い体調不良まで給付の対象にすると保険財政への負担が大きくなりすぎるという事情があります。3日間という期間は、多くの軽症が自然に回復するまでの目安とされ、健康保険制度創設以来の伝統的な仕組みとして維持されています。
2022年1月1日の制度改正で支給期間が「通算」化されたのは、がん治療のように入院と復職を繰り返しながら長期的に治療を続ける患者への配慮が背景にあります。改正前は復職していた期間も支給期間のカウントに含まれてしまい、再発時に十分な支給期間が残っていないケースが問題視されていました。通算化によって実際に休業した期間だけが積算されるようになり、長期療養を続ける患者の生活保障が手厚くなりました。