コーストFIRE(Coast FIRE)計算
現在の年齢・資産額・期待運用利回りと目標資産額を入力すると、今すぐ追加の積立をやめても運用成長だけでリタイア年齢までに目標額へ到達できるか(コーストFIRE達成済みか)を判定します。
コーストFIRE(Coast FIRE)とは
コーストFIRE(Coast FIRE)とは、FIRE(早期リタイア)の考え方の一種で、「今すぐ追加の積立をやめても、それまでに積み上げた資産が運用成長だけでリタイア年齢までに目標資産額へ到達する状態」のことです。完全なFIRE(今すぐ働かずに生活できる状態)とは異なり、リタイア年齢までは働き続けることを前提にしつつ、生活費のためだけに働けばよく、将来のための追加の積立を続ける必要がなくなる、という中間的な達成状態を指します。
本ツールは、現在の資産額・期待運用利回り・目標リタイア年齢・目標資産額を入力すると、目標資産額をリタイアまでの残り年数分現在価値に割り戻した「コーストFIREナンバー」と現在の資産額を比較し、コーストFIREに到達しているかどうかを判定します。まだ到達していない場合は、毎月の追加積立額を入力することで、積立を継続した場合にコーストFIREへ到達するまでの期間もあわせて算出できます。
使い方
- 現在の年齢・目標リタイア年齢を入力する 何歳でリタイアしたいか(完全に働かなくなる年齢)を入力します
- 現在の資産額と期待運用利回りを入力する 投資・現金等の合計額と、想定する年率の運用利回りを入力します
- 目標資産額の決め方を選ぶ 直接入力するか、リタイア後の年間支出から4%ルールで自動算出するかを選びます
- 結果を確認する コーストFIREに到達しているかどうかと、今必要な資産額(コーストFIREナンバー)が表示されます
- (任意)毎月の追加積立額を入力する 未達の場合、積立を継続した場合にコーストFIREへ到達するまでの期間を確認できます
使いこなすためのヒント
- 期待運用利回りは楽観的な数値を入力すると、実際には到達していないのにコーストFIRE達成と判定されてしまうため、株式市場の長期平均を参考にした保守的な数値(年率5〜7%程度)で試算することをおすすめします。
- 目標資産額が分からない場合は「年間支出から算出する」を選ぶと、4%ルールに基づいて自動算出されます。より正確な目標額を持っている場合は「直接入力する」を選んでください。
- 毎月の追加積立額を0のままにすると「今すぐ積立をやめた場合」を判定します。実際に積立を続ける予定がある場合は、その金額を入力するとより実態に近い到達時期が分かります。
- コーストFIREに到達していても、想定していた運用利回りを実際の運用成果が下回った場合は目標額に届かない可能性があるため、定期的に再計算して前提を見直すことをおすすめします。
活用シーン
積立をペースダウンする判断
コーストFIREに到達していれば、リスクを抑えた資産配分へ切り替えたり、積立額を減らして今の生活を充実させたりする選択肢を検討できます
転職・キャリアチェンジの検討
コーストFIREに到達していれば、収入が下がっても生活費をまかなえる仕事へ転職する、働く時間を減らすといった選択の後押しになります
リタイア計画の中間目標として使う
既存のリタイア資金計算(目標金額からの逆算積立額計算)で算出した目標額をそのまま入力し、完全リタイアより手前の中間目標として活用できます
積立額の見直し
未達の場合に表示される「コーストFIREへ到達するまでの期間」を見て、積立額を増やすべきか、目標や年齢を調整すべきかを検討できます
用語集
- コーストFIRE
- 今すぐ追加の積立をやめても、それまでに積み上げた資産が運用成長だけでリタイア年齢までに目標資産額へ到達する状態のことです。リタイア年齢までは生活費のために働き続けることを前提とします
- 期待運用利回り
- 投資した資産が将来にわたって平均的にどの程度の年率で成長すると想定するかを表す数値です。過去の株式市場の平均リターン等を参考に、保守的な数値を入力することが一般的です
- 4%ルール
- リタイア時点の資産額の4%相当を毎年生活費として引き出しても、資産が大きく減らずに生活できるという考え方です。年間支出の25倍(4%の逆数)が目標資産額の目安とされます
よくある質問
余談ですが ― コーストFIREという考え方はどこから生まれたのか
FIRE(Financial Independence, Retire Early、経済的自立と早期リタイア)というムーブメントは、米国で2010年代から個人金融ブログやオンラインコミュニティを中心に広まりました。当初は「一定の資産を築いたらすぐに完全リタイアする」という発想が中心でしたが、実際にFIREを目指す人々の間で「完全にリタイアするほどの資産はまだないが、将来のための積立はもう十分」という中間的な状態に注目が集まり、コーストFIREという概念が生まれたといわれています。
「コースト(coast)」という言葉は、船が動力を使わずに惰性で進む様子や、自転車で坂道を下る際にペダルを踏まずに進む様子を指す英語表現です。資産形成においても、いったん十分な資産を積み上げれば、あとは運用成長という「惰性」に任せて目標に到達できる、という比喩からこの名前が付けられました。
コーストFIREは完全なFIREよりも到達しやすい目標であることから、「早期リタイアはハードルが高すぎる」と感じていた人々にも受け入れられやすい考え方として広まりました。積立をやめられるという安心感を得たうえで、働き方や生活スタイルをより柔軟に選べるようになる点が、多くの支持を集めている理由とされています。