英国スコットランドLBTT計算(Land and Buildings Transaction Tax Calculator)
英国スコットランドの不動産購入時にかかる土地建物取引税(LBTT)を、物件価格・初回購入者特例・追加住宅サーチャージ(ADS)から計算します。イングランド・北アイルランドのSDLTとは別税制です。
スコットランドのLBTT(土地建物取引税)とは
LBTT(Land and Buildings Transaction Tax、土地建物取引税)は、スコットランドで不動産や土地を購入する際に、買主が一度だけ支払う税金で、Revenue Scotlandが所管しています。2015年4月1日にイングランド・北アイルランドのSDLT(Stamp Duty Land Tax)に代わってスコットランド独自の税制として導入されました。物件価格全体に一律の税率がかかるのではなく、価格帯ごとに区切られた帯域に段階的な税率を適用し、超過した部分だけに高い税率をかける累進課税方式です。
標準税率に加えて、初めて不動産を購入する人向けの軽減措置(First-Time Buyer Relief、非課税枠を£145,000から£175,000へ引き上げ)、2件目以降の住宅を購入する場合に課されるADS(Additional Dwelling Supplement、追加住宅サーチャージ)があります。SDLTの追加物件サーチャージが価格帯ごとに税率へ上乗せする方式なのに対し、LBTTのADSは物件価格全体に一律8%をかけるフラットレート方式である点が構造的に異なります。なお、イングランド・北アイルランドではSDLT、ウェールズではLTT(Land Transaction Tax)という別の税制が適用され、本ツールが対象とするLBTTとは税率・仕組みが異なります。
この計算に使っている基準
税率・保険料率などの法定の値は、次の公的機関が公表しているものを使用しています。制度改正により変わることがあるため、重要な判断をされる際は一次情報もあわせてご確認ください。
- 英国スコットランドLBTT標準税率帯・初回購入者向け軽減税率 — スコットランド歳入庁(Revenue Scotland) 2021-04 以降適用 / 最終確認 2026-09-08
- 英国スコットランドADS(追加住宅サーチャージ)税率 — スコットランド歳入庁(Revenue Scotland) 2024-12 以降適用 / 最終確認 2026-09-08
使い方
- 物件価格を入力する 購入予定、または検討中の不動産価格をポンドで入力します
- 買主の区分を選ぶ 標準・初回購入者・2件目以降の物件のいずれかを選択します
- 結果を確認する LBTT本体・ADS(該当する場合)・合計税額・実効税率・価格帯別の内訳が表示されます
使いこなすためのヒント
- 初回購入者の軽減税率は「買主全員」が初回購入者である必要があります。共同購入で一方でも過去に不動産を所有していた場合は標準税率が適用されます。
- ADSはSDLTの追加物件サーチャージと違い、価格帯ごとの上乗せではなく物件価格全体に一律でかかります。そのため高額物件ほどADSの絶対額が標準税率部分に対して大きな割合を占めます。
- 既存の自宅を売却して新しい自宅に買い替える場合、一定期間内に旧居を売却すればADSの還付を受けられる制度があります。詳細はRevenue Scotlandの公式情報で確認してください。
- 税率や閾値はスコットランド予算(Scottish Budget)で改定されることがあるため、実際の契約前には必ず公式情報(revenue.scot)で最新の税率を確認してください。
活用シーン
スコットランドでの住宅購入の予算計画
物件価格に加えてかかるLBTTを事前に把握し、諸費用込みの総予算を立てる
初回購入者としての軽減効果の確認
標準税率と初回購入者向け軽減税率で税額がどれだけ変わるかを比較する
投資用物件・セカンドハウスの購入検討
ADSが加わった場合の税額を試算し、投資採算に反映する
イングランド・SDLTとの税額比較
同じ物件価格でもスコットランドとイングランドで税額・仕組みがどう違うかを把握する(イングランド分はmoney.wealth.uk_stamp_dutyで試算)
用語集
- LBTT(Land and Buildings Transaction Tax)
- スコットランドで不動産・土地を購入した際に、買主が一度だけ支払う税金です。Revenue Scotlandが所管します。
- 累進税率(バンド課税)
- 物件価格を複数の価格帯(バンド)に区切り、各バンドに割り当てられた部分にのみその税率を適用する方式です。
- First-Time Buyer Relief(初回購入者向け軽減税率)
- 不動産を所有したことがない買主向けに、非課税枠を£145,000から£175,000へ引き上げる軽減措置です。物件価格に上限はなく、最大£600の軽減を受けられます。
- ADS(Additional Dwelling Supplement)
- 購入後に2件以上の住宅を所有することになる場合に課される追加課税です。価格帯ごとではなく物件価格全体に一律8%(2026年時点)をかけるフラットレート方式です。
- SDLT・LTT
- それぞれイングランド・北アイルランド、ウェールズにおける不動産取得税で、LBTTとは税率・仕組みが異なる別制度です。
よくある質問
余談ですが ― SDLTから分離した税制
LBTTは2015年4月1日、スコットランド議会が持つ税制上の権限(Scotland Act 2012)を初めて本格的に行使して導入された税金です。それまではイングランド・ウェールズ・北アイルランドと同じSDLT(Stamp Duty Land Tax)が適用されていましたが、スコットランド独自の住宅政策を反映するため、Revenue Scotlandという新しい徴税機関とともに、価格帯や税率がSDLTとは異なる別税制として設計されました。導入時から標準税率の非課税枠がSDLTよりも高く設定されており、中価格帯の住宅購入者にとってはSDLTより有利になるケースが多いと言われています。
ADS(Additional Dwelling Supplement)は2016年4月に導入され、当初は3%でしたが、住宅価格の高騰と投資用不動産の需要増を背景に、2022年12月に6%、2024年12月に8%へと段階的に引き上げられてきました。SDLTの追加物件サーチャージが価格帯ごとに税率を上乗せする方式であるのに対し、ADSは物件価格全体に一律でかかるフラットレートである点が大きな違いです。この設計の違いにより、同じ「2件目の住宅購入」でもイングランドとスコットランドでは税額の計算方法自体が異なります。
2018年6月には初回購入者向けの軽減措置(First-Time Buyer Relief)が導入されました。SDLTの同種の軽減措置とは異なり、対象となる物件価格に上限が設けられていないのが特徴です。これは高額な住宅を購入する初回購入者であっても、非課税枠の引き上げ分(最大£600)の恩恵を受けられるという、SDLTよりもシンプルな設計を採用した結果です。