住宅ローン借入可能額計算(アフォーダビリティ)
毎月の収入・既存の負債返済額・頭金・金利・返済期間から、28/36ルールに基づく「無理のない」借入可能額と、審査で認められうる「上限」の借入可能額・購入可能な住宅価格帯を試算します。
住宅ローン借入可能額(アフォーダビリティ)とは
住宅ローンのアフォーダビリティ(affordability)とは、毎月の収入や既存の負債の状況から見て、無理なく返済を続けられる借入額のことです。「いくらまで借りられるか」ではなく「いくらまでなら安全に借りられるか」を先に把握しておくことで、物件探しの予算を現実的な範囲に絞り込めます。
本ツールは、既存の money.wealth.dti_calculator(毎月の収入と負債からDTIを算出する順方向の計算)とは逆に、目標とするDTI(総負債返済比率)の基準を満たす借入可能額を逆算します。「無理のない」水準の目安である28/36ルールと、FHAローン等の緩和された基準で参照される上限の目安(バックエンドDTI 43%)の2シナリオを並べて表示することで、現実的な予算と審査上の上限の両方を把握できます。
使い方
- 毎月の総収入を入力する 税引き前の毎月の総収入(世帯収入を含めてもよい)を入力します
- 既存の負債の支払額を入力する 自動車ローン・学生ローン・クレジットカード等、住宅ローン以外の毎月の返済額の合計を入力します
- 頭金・金利・返済期間を入力する 想定している自己資金の額、金融機関の提示金利、希望する返済期間を入力します
- 税金・保険の見込み額を入力する 固定資産税・住宅保険等、元利返済以外に毎月かかる費用の見込みを入力します(不明な場合は0のままでも計算できます)
- 結果を確認する 「無理のない」借入可能額と「審査上の上限」借入可能額の2シナリオで、購入可能な住宅価格帯が表示されます
使いこなすためのヒント
- 頭金を増やすほど、同じ毎月の住居費上限でもより高額な住宅を購入できる計算になります。頭金の額を変えて何度か試算してみてください。
- 金利は金融機関の審査結果によって変わるため、複数の金融機関の提示金利で試算し、借入可能額がどの程度変動するかを比較することをおすすめします。
- 「無理のない」シナリオと「審査上の上限」シナリオの差が大きい場合、上限に近い借入は将来の金利上昇や収入減少のリスクに弱くなる点に注意してください。
- 既存の自動車ローンやクレジットカードの残高を減らすと、既存の負債の支払額が下がり、借入可能額が増える可能性があります。
活用シーン
物件探し前の予算設定
不動産サイトで物件を探し始める前に、無理のない予算の上限をあらかじめ把握できます
頭金をどこまで貯めるかの検討
頭金の額を変えて試算し直すことで、目標とする住宅価格に届くために必要な自己資金の目安が分かります
金利変動による影響の確認
金利が上昇した場合に借入可能額がどの程度縮小するかを事前にシミュレーションできます
既存ローンの完済計画との比較
既存の money.wealth.dti_calculator で現在のDTIを確認したうえで、負債を減らした場合に借入可能額がどこまで増えるかを比較できます
用語集
- アフォーダビリティ(affordability)
- 収入や既存の負債の状況から見て、無理なく返済を続けられる借入額・住宅価格のことです。「借りられる上限」ではなく「安全に借りられる範囲」を示す考え方です
- 28/36ルール
- フロントエンドDTI(住居費のみ)を28%以下、バックエンドDTI(全負債)を36%以下に収めることが望ましいとされる、住宅ローン審査で伝統的に参照される目安です
- FHAローン
- 米国連邦住宅局(Federal Housing Administration)が保証する住宅ローンで、一般的な融資基準よりも高いDTI(目安43%程度まで)でも承認されることがあります
- エスクロー
- 住宅ローンの毎月の支払いに、元利返済額とあわせて固定資産税・住宅保険料を積み立てて金融機関が代理で納付する仕組みです
- 元利均等返済
- 毎月の返済額(元金と利息の合計)が返済期間を通じて一定になる返済方式です。本ツールの借入可能額の逆算もこの方式を前提にしています
よくある質問
余談ですが ― 「借りられる額」と「返せる額」は違うという考え方
住宅ローンの世界では、金融機関が「貸せる」と判断する金額と、借り手が無理なく「返せる」金額は必ずしも一致しないとよく言われます。金融機関の審査は主に返済能力の下限を確認するためのものであり、審査に通ったからといって、その金額を借りることが家計にとって最適とは限りません。
2000年代後半の世界的な金融危機の教訓のひとつは、まさにこの「借りられる額」と「返せる額」のギャップが十分に意識されなかったことにあるといわれています。以降、多くの国で住宅ローン審査における返済能力の確認がより厳格になり、DTI(総負債返済比率)のような客観的な指標が重視されるようになりました。
日本の住宅ローンでも、金融機関が定める「返済負担率」の上限とは別に、ファイナンシャルプランナーの間では「手取り収入の20〜25%程度に返済額を抑えるのが望ましい」といった、より保守的な目安がしばしば語られます。審査に通る金額と、無理なく暮らしながら返せる金額を分けて考える発想は、国や制度が違っても共通しています。