残業時間・36協定上限アラートツール|月45時間・年360時間の上限を無料判定

月間の時間外労働・休日労働時間を入力するだけで、36協定(時間外労働・休日労働に関する協定)と労働基準法の上限(原則月45時間・年360時間、特別条項時は年720時間、特別条項の有無に関わらず単月100時間未満・複数月平均80時間以内)に対する順守状況を無料で判定します。

36協定の上限に対する順守状況を判定する

月間の時間外労働・休日労働の時間を入れると、36協定で定められた上限に対してどこまで余裕があるかを判定します。原則は月45時間・年360時間で、特別条項を結んでいる場合は年720時間まで延ばせます。これとは別に、時間外労働と休日労働を合わせて単月100時間未満・複数月平均80時間以内という上限が、特別条項の有無に関わらず常にかかります。

ここで最も見落とされるのが、複数月平均80時間という要件です。 月ごとの数字だけを追っていると、どの月も100時間に届いていないのに、2〜6か月の平均を取ると80時間を超えてしまうという状態に気づけません。たとえば90時間と75時間が続けば、単月ではどちらも上限内でも平均は82.5時間となり、要件を満たしません。この条件は「直前の2か月・3か月…6か月」のいずれの区切りで平均しても満たす必要があるため、繁忙期のあとしばらくは、翌月以降の時間数まで縛られます。 月次の管理だけでは足りず、数か月先を見越した配分が要ります。

この計算に使っている基準

税率・保険料率などの法定の値は、次の公的機関が公表しているものを使用しています。制度改正により変わることがあるため、重要な判断をされる際は一次情報もあわせてご確認ください。

  • 時間外労働の上限規制(労働基準法36条:月45時間・年360時間、特別条項の上限) — e-Gov法令検索(デジタル庁) 2026-07 以降適用 / 最終確認 2026-10-17

値の調べ方と保ち方について(編集方針)

判定の手順

  1. 特別条項の有無を選ぶ 締結していなければ、上限は月45時間・年360時間です。
  2. 月ごとの時間外労働と休日労働を入れる 時間外労働と休日労働は別々の欄に入れてください。原則の月45時間・年360時間は時間外労働だけで、単月100時間・複数月平均80時間は両方を合算して判定します。
  3. 単月の判定を読む 特別条項の有無に関わらず、時間外+休日労働は単月100時間「未満」であることが必要です。
  4. 複数月平均を確かめる 2〜6か月のどの区切りで平均しても80時間以内に収める必要があります。

使いこなすためのヒント

  • 36協定の上限は「時間外労働」と「休日労働」で判定基準が異なります。原則の月45時間・年360時間は時間外労働のみが対象ですが、単月100時間未満・複数月平均80時間以内は休日労働も合算して判定されます。この2つは特別条項を結んでいない場合にも適用されるため、たとえば時間外44時間+休日56時間=100時間の月は、月45時間の範囲内でも違反になります。
  • 複数月平均は「当月を含む直近2か月・3か月・4か月・5か月・6か月」のすべての組み合わせで80時間以内を満たす必要があります。1つでも80時間を超える組み合わせがあれば違反となるため、特定の月だけでなく複数月の推移を確認することが重要です。
  • 月45時間を超えて良いのは、特別条項付き36協定を締結している場合でも年6回までです。7回目以降に月45時間を超えると、たとえ単月100時間・年720時間の上限内であっても協定違反になります。
  • 本ツールの入力は自己申告の目安計算であり、実際の労務管理には勤怠システムの正確な打刻データを用いてください。上限に近づいている場合は早めに上長・人事担当者へ相談することをおすすめします。

活用シーン

繁忙期の配分を計画する

繁忙期に積み上げると、その後の数か月まで縛られます。 先を見越して配分できます。

部署ごとの状況を把握する

全社では余裕があっても、特定の部署だけ逼迫していることがあります。

年間の残り時間を確かめる

年の上限に対して、あと何時間使えるかを把握できます。

要員計画の根拠にする

上限に張り付いている状態は、人員が足りていないという事実の表れです。

36協定の用語

36協定
労働基準法第36条に基づく、時間外労働・休日労働に関する労使協定です。
原則の上限
月45時間・年360時間です。特別条項を結ばない限り、これを超えられません。
特別条項
臨時的な事情がある場合に、上限を延長できる定めです。それでも年720時間が上限です。
単月100時間未満
時間外労働と休日労働の合計について、特別条項の有無に関わらず超えられない線です。「以下」ではなく「未満」である点に注意が要ります。
複数月平均80時間
時間外労働と休日労働の合計を2〜6か月のどの区切りで平均しても超えられない要件で、特別条項の有無に関わらず適用されます。 月次の管理だけでは見落とします。
休日労働
法定休日に行う労働です。上限の判定では時間外労働と合算します。

よくある質問

原則は月45時間・年360時間です。臨時的な特別の事情がある場合に限り、特別条項を締結することで年720時間まで延長できますが、その場合も月45時間超えは年6回までです。さらに、単月100時間未満(休日労働含む)・複数月平均80時間以内(休日労働含む)は、特別条項の有無に関わらず常に満たす必要があります。

当月を含めて直近2か月平均・3か月平均・4か月平均・5か月平均・6か月平均のすべてを計算し、いずれも80時間(時間外労働+休日労働)以内でなければなりません。例えば当月が非常に低くても、過去の高い月の影響で6か月平均が80時間を超えていれば違反となります。

時間外労働は法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた労働時間、休日労働は法定休日(週1日)に働いた時間を指します。原則の月45時間・年360時間の上限は時間外労働のみが対象ですが、単月100時間未満・複数月平均80時間以内の判定(特別条項の有無に関わらず適用)では両方を合算します。

罰則付きの法規制のため、違反した使用者には6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(2025年6月の刑法改正で懲役は拘禁刑に一本化されました)が科される可能性があります。加えて労働基準監督署の是正勧告・企業名公表等のリスクもあるため、上限に近づいている場合は早期の是正が重要です。
ツールくん

余談ですが ― 「過労死ライン」と36協定の上限規制

36協定(労働基準法36条に基づく時間外労働・休日労働に関する協定)は、本来は法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えて働かせてはならないという原則に対する「例外」を認める仕組みです。労使間で協定を結び労働基準監督署に届け出ることで、初めて残業や休日出勤が合法になります。

2019年4月(中小企業は2020年4月)に施行された働き方改革関連法により、それまで行政指導レベルに留まっていた上限が罰則付きの法的規制に格上げされました。特別条項の有無に関わらず超えてはならない「単月100時間未満」「複数月平均80時間以内」という基準は、いわゆる「過労死ライン」(脳・心臓疾患の労災認定において業務との関連性が強いとされる目安)と同じ水準に設定されています。

月45時間・年360時間という原則の上限も、超過が続くと健康リスクが高まるとされる目安です。特別条項はあくまで「臨時的な特別の事情がある場合」に限定された例外措置であり、恒常的に上限ぎりぎりの残業が続く状態は、労務管理上見直すべきサインといえます。