IRA(個人退職口座)計算ツール

現在の年齢・年収の目安(MAGI)・年間拠出額を入力すると、米国のIRA(Traditional IRA / Roth IRA)の退職時点の推定残高と、所得制限による拠出可能額・控除額の縮小を試算します。

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IRA(個人退職口座)とは

IRA(Individual Retirement Account、個人退職口座)は、米国で401(k)と並ぶ主要な税制優遇のある退職貯蓄口座です。401(k)が雇用主を通じて加入する企業型プランであるのに対し、IRAは証券会社や銀行で個人が単独で開設でき、転職や退職の状況にかかわらず継続して積み立てられるのが特徴です。

本ツールは、現在の年齢・退職予定年齢・年間拠出希望額・想定リターンを入力すると、退職予定年齢までの残高推移を年単位で試算します。拠出時に所得控除を受けられるTraditional IRAと、拠出時は課税済みで受取時が非課税になるRoth IRAを比較でき、さらにRoth IRAの拠出可能額やTraditional IRAの控除額を制限するMAGI(修正調整後総所得)による所得制限も反映します。

使い方

  1. 現在の年齢と退職予定年齢を入力する 何年間積立を続けるかを決める基本情報です
  2. 現在のIRA残高と年間拠出希望額を入力する 拠出希望額はIRSの年間上限を超える場合、自動的に上限に調整されます
  3. 口座タイプ(Traditional / Roth)を選ぶ 拠出時に所得控除を受けたいか、退職後の受取を非課税にしたいかで選択します
  4. フィリングステータスとMAGIを入力する Roth IRAの拠出可能額やTraditional IRAの控除額は、確定申告のフィリングステータスとMAGIによって縮小される場合があります
  5. 職場の退職金プランへの加入状況を選ぶ 本人・配偶者が401(k)等の職場プランに加入しているかで、Traditional IRAの控除額の制限有無が変わります

使いこなすためのヒント

  • Roth IRAへの拠出は所得が高いほど制限されますが、Traditional IRAへの拠出自体には所得制限がなく、制限されるのは「所得控除できる金額」だけです。所得が高くても拠出そのものは可能な点に注意してください。
  • IRAへの拠出期限は、その年の12月31日ではなく翌年の確定申告期限(通常4月中旬)までです。前年分の拠出として申告時期にまとめて拠出することもできます。
  • 本ツールの想定年間リターンは長期の平均的な数値を前提とした簡易試算です。実際の運用成績は市場の変動によって年ごとに大きく異なります。
  • MAGIの正確な計算は複雑な場合があるため、実際の拠出判断の前に確定申告書類やIRSの最新のガイドラインで確認することをおすすめします。

活用シーン

高所得でRoth IRAに直接拠出できるか確認する

MAGIが所得制限の範囲内かどうかを確認し、拠出できない場合はバックドアRoth等の代替手段を検討する材料になります

Traditional IRAの控除額が制限されるか確認する

職場の401(k)に加入している場合、所得によっては拠出額の一部しか所得控除できないことがあります

401(k)と合わせた退職資金全体の計画を立てる

money.wealth.401k_calculatorと組み合わせて、複数の退職口座を持つ場合の合計残高を試算できます

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用語集

MAGI(修正調整後総所得)
Modified Adjusted Gross Incomeの略で、通常の調整後総所得(AGI)に一定の控除項目(学生ローン利子控除等)を足し戻した所得指標です。IRAの拠出可能額・控除額の所得制限の判定に使われます。
phase-out(段階的縮小)
MAGIが一定の範囲に入ると、拠出可能額や控除額が所得の増加に応じて徐々に減っていく仕組みです。範囲の下限では全額、上限に達すると0になります。
Traditional IRA
拠出額が(所得制限の範囲内で)課税所得から控除され、拠出時の税負担が軽減される代わりに、退職後の受取時に所得として課税される口座タイプです。
Roth IRA
拠出額は課税済みの所得から支払うため拠出時の税負担軽減はありませんが、一定の条件を満たせば退職後の受取(運用益を含む)が非課税になる口座タイプです。MAGIが一定額を超えると直接拠出ができません。
キャッチアップ拠出
50歳以上の個人に認められる、通常の拠出上限に加えて上乗せできる追加拠出です。2026年は$1,100が上乗せされます。
バックドアRoth
所得制限によりRoth IRAへ直接拠出できない高所得者が、いったんTraditional IRAへ拠出したうえでRoth IRAへ資産転換(コンバージョン)する手法です。転換時に課税関係が生じる場合があるため専門家への相談が推奨されます。

よくある質問

基本の上限は$7,500です。50歳以上はキャッチアップ拠出$1,100が上乗せされ$8,600になります(IRS発表分、Traditional IRAとRoth IRAへの拠出は合算で上限に達します)。

一般的には、現役時代より退職後の税率が低くなると見込まれる場合はTraditional、退職後の税率が現役時代と同程度か高くなると見込まれる場合や、若く将来的な収入増を見込む場合はRothが有利とされます。

「バックドアRoth」と呼ばれる手法で、いったんTraditional IRAへ拠出したうえでRoth IRAへ資産転換する方法があります。税務上の取り扱いが複雑になる場合があるため、税理士等の専門家へ相談することをおすすめします。

はい、拠出上限はそれぞれ別に管理されているため、条件を満たせば401(k)とIRAの両方に拠出できます。ただし、職場の401(k)に加入している場合はTraditional IRAの所得控除額が制限されることがあります。
ツールくん

余談ですが ― IRAが生まれた1974年という年

IRAは、1974年に成立した従業員退職所得保障法(ERISA、Employee Retirement Income Security Act)によって創設されました。この法律は、企業年金の積立不足や運用の不透明さから従業員の老後資金が守られない事態が相次いだことを受けて制定されたもので、企業年金の受給権保護と並んで、企業年金に加入できない従業員のための自助努力の受け皿としてIRAが用意されました。

当初のIRAは拠出上限が年間$1,500という小さな制度でしたが、その後何度も改正を重ねて上限が引き上げられ、1997年には税制優遇の形が異なるRoth IRA(当時の上院財政委員会議長ウィリアム・ロス氏の名前に由来)が新設されました。拠出時に課税されるか受取時に課税されるかという選択肢が増えたことで、個人が自分の将来の税率見通しに応じて退職貯蓄の方法を選べるようになった点は、当時としては画期的な制度設計でした。

日本の個人型確定拠出年金(iDeCo)も、加入者自身が運用先を選び税制優遇を受けながら積み立てるという点でIRAと共通する設計思想を持ちますが、iDeCoは原則60歳まで引き出せない点や、掛金の上限が職業・企業年金の有無によって細かく分かれている点など、制度の細部には違いがあります。

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