Solo 401(k)拠出額計算ツール(自営業者向け一人親方401k)
自営業者の年間純利益、またはW-2報酬額と年齢を入力すると、米国のSolo 401(k)(従業員のいない自営業者専用の401k)への最大拠出可能額を「従業員」拠出分と「雇用主」拠出分に分けて試算します。
Solo 401(k)とは
Solo 401(k)(Individual 401(k))は、従業員のいない自営業者・一人親方専用に設計された米国の401(k)プランです。同じ自営業者向け退職口座であるSEP IRA(money.wealth.sep_ira_calculator)が雇用主拠出のみを認めるのに対し、Solo 401(k)は本人が「従業員」として拠出できる分に加えて、「雇用主」として報酬の一定割合を追加拠出できる二重構造が特徴です。
この二重構造により、同じ純利益からでもSEP IRAより高い拠出額を実現できるケースが多くあります。本ツールは、自営業者(個人事業主)と、会社員・役員(W-2報酬を受け取る立場)の両方のケースに対応し、従業員拠出分・雇用主拠出分・合計の最大拠出可能額を試算します。
使い方
- 拠出者タイプを選ぶ 自営業者(個人事業主)として拠出するか、会社員・役員としてW-2報酬をベースに拠出するかを選びます
- 自営業者の場合は年間純利益を入力する Schedule C(事業所得の確定申告書類)に記載する、経費控除後の年間純利益を入力します
- 今年すでに得たW-2給与があれば入力する 自営業以外の給与収入がある場合、社会保障税の課税上限の残り枠を正しく試算するために使います
- 会社員・役員の場合は年間W-2報酬額を入力する 会社(法人)から支払われる給与額を入力します
- 年齢を入力する 50歳以上・60〜63歳のキャッチアップ拠出の適用有無を判定するために使います
使いこなすためのヒント
- Solo 401(k)は本人(と配偶者)以外に従業員がいないことが条件です。将来的に従業員を雇用する予定がある場合は、通常の401(k)プランへの移行を検討してください。
- 複数の勤務先でも401(k)等に加入している場合、従業員拠出分の上限額(2026年は$24,500)は口座の種類を超えて合算で管理されるため、拠出しすぎないよう注意してください。
- Solo 401(k)は多くの金融機関でローンの借入(本人の口座残高を担保にした貸付)が可能な点も、SEP IRAには無い特徴です。
- 本ツールの計算は簡易的な試算です。正確な拠出可能額は、税理士や公認会計士による確認、またはIRS Publication 560の最新版でのワークシート計算をおすすめします。
活用シーン
個人事業主として退職資金の非課税拠出枠を最大化する
SEP IRAより高い拠出額を実現できるかを試算し、退職口座の選択材料にできます
法人化(S-corp等)した場合の拠出額を試算する
自分自身に給与(W-2報酬)を支払う形態に法人化した場合、従業員拠出分・雇用主拠出分の目安を確認できます
SEP IRA・通常のIRAと比較して退職口座を選ぶ
money.wealth.sep_ira_calculator・money.wealth.ira_calculatorと組み合わせて、同じ純利益でどちらの拠出額が大きくなるかを比較できます
キャッチアップ拠出を含めた退職資金計画を立てる
50歳以上・60〜63歳の年齢層で、追加のキャッチアップ拠出枠を含めた最大拠出額を確認できます
用語集
- Solo 401(k)
- Individual 401(k)とも呼ばれる、従業員のいない自営業者・一人親方専用に設計された401(k)プランです。本人が「従業員」と「雇用主」の二重の立場で拠出できます。
- 従業員拠出(弾力的拠出)
- 本人が「従業員」として給与・純利益から拠出できる分です。2026年の基本上限額は$24,500で、50歳以上・60〜63歳にはキャッチアップ拠出が追加で認められます。
- 雇用主拠出(利益分配)
- 本人が「雇用主」として報酬の一定割合(W-2報酬なら25%、自営業者本人分は実効20%)を追加拠出できる分です。
- キャッチアップ拠出
- 50歳以上(2026年は$8,000)・60〜63歳(SECURE 2.0法による上乗せで2026年は$11,250)に追加で認められる拠出枠です。年間上限額の計算には含まれません。
- 年間上限額
- 従業員拠出分と雇用主拠出分を合算した上限額です(キャッチアップ拠出は含まれません、2026年は$72,000)。
- 自営業者税(Self-Employment Tax)
- 自営業者が負担する社会保障税・メディケア税の総称です。通常の給与所得者は雇用主と折半しますが、自営業者は両方分(合計15.3%)を自己負担します。
よくある質問
余談ですが ― 「一人」のための巨大な非課税枠
Solo 401(k)は2001年のEconomic Growth and Tax Relief Reconciliation Act(EGTRRA)によって自営業者向けに拡充された比較的新しい制度です。本人が「従業員」と「雇用主」の二重の立場で拠出できるという構造は、通常の企業型401(k)では従業員拠出と雇用主拠出(マッチング)が別々の人格から行われるのに対し、Solo 401(k)では同一人物がその両方を担うという点でユニークです。
この二重構造のおかげで、Solo 401(k)はSEP IRAよりも高い拠出額を実現しやすく、特に純利益がそれほど大きくない自営業者にとっては差が顕著になります。たとえば、純利益$50,000の自営業者の場合、SEP IRAでは雇用主拠出分(実効20%)のみで約$8,500程度に留まりますが、Solo 401(k)では従業員拠出分の$24,500を上限まで追加できるため、合計の拠出可能額が大幅に増えるケースがあります。
日本の類似制度としては、小規模企業共済や国民年金基金、iDeCo(個人型確定拠出年金)が挙げられます。いずれも自営業者・小規模事業主の退職後の備えを支援する制度ですが、拠出上限が「従業員」「雇用主」という二重の立場で分けて計算される米国式の仕組みは日本の制度には見られない特徴です。