T-Bill利回り計算(米国財務省短期証券)
米国財務省短期証券(T-Bill)の額面・満期までの期間・購入価格または割引率を入力すると、銀行割引利回り・投資家利回り(Bond Equivalent Yield)・複利換算の実効年利回りを算出する無料ツールです。
T-Bill(米国財務省短期証券)とは
T-Bill(Treasury Bill)は、米国財務省が発行する満期1年以内の短期債券です。利付債のように定期的な利息の支払いはなく、額面金額より低い価格で割引発行され、満期時に額面金額が支払われることで、その差額がリターンとなります。
T-Billのリターンは利息としてではなく購入価格の割引に組み込まれているため、財務省の入札で公表される「金利」(銀行割引利回り)は、預金口座やCDで表示される年間利回り(APY)とそのままでは比較できません。このツールは、T-Billの割引率または購入価格を3種類の異なる利回りに変換し、入札時の表記・他の債券との比較・複利換算後の実質的なリターンをそれぞれ確認できるようにします。
T-Bill利回り計算ツールの使い方
- 額面金額を入力する 満期時に財務省から支払われる金額です(例: 10,000ドル)。
- 満期までの期間を選ぶ 4週・8週・13週・17週・26週・52週の標準的な入札期間から選択します。
- わかっている方の入力に切り替える 購入価格がわかっていればそのまま入力し、公表されている割引率しかわからない場合は割引率モードに切り替えます。
- 3種類の利回りを確認する 銀行割引利回り・投資家利回り・実効年利回りを見比べて、リターンを異なる角度から確認します。
使いこなすためのヒント
- 銀行のCDや預金と比較する場合は、銀行割引利回りではなくこのツールの実効年利回りを使ってください。割引利回りだけでは実際に得られるリターンより低く見えてしまいます。
- TreasuryDirectや証券会社経由で購入したT-Billは割引率で表記されることが多く、マネー・マーケット・ファンドで保有している場合はすでに利回りの形で表示されていることが多いため、どちらの数値を持っているか確認してからモードを選んでください。
- 米国ではT-Billの利息は州税・地方税が非課税になる点を忘れないようにしましょう。表面上の利率が同程度のCDや預金と比べても、税引き後のリターンで見ると有利になることがあります。
- 期間が短いほど(4週・8週)再投資のたびに金利を見直す機会が増え、期間が長いほど(26週・52週)今の金利を長く固定できます。今後の金利が下がると予想する場合は長めの期間が有利です。
T-Bill利回り計算ツールの活用シーン
財務省入札の結果を自分の基準と比較する
入札結果は割引率で公表されるため、投資家利回りに変換すると債券やCDと同じ土俵で比較できます。
T-BillとCD・高利回り預金のどちらを選ぶか判断する
割引率を実効年利回りに変換すれば、銀行商品のAPY表記と揃えて比較できます。
証券会社が提示する購入価格を確認する
証券会社の画面に購入価格のみが表示されている場合、そのまま入力すれば割引率の計算を自分で行わなくても利回りを確認できます。
T-Bill用語集
- 額面金額
- 購入価格に関わらず、満期時に財務省から支払われる金額。
- 割引率
- T-Billが入札される際に公表される金利で、額面金額に対する割引額を360日基準で年率換算したもの。実際に支払った金額に対する利回りとは異なる。
- 銀行割引利回り
- 割引額を額面金額で割り、360日を1年とみなして年率換算した数値。財務省の入札でT-Billの金利を表記する際の慣例的な方式。
- 投資家利回り(Bond Equivalent Yield)
- 割引額を額面金額ではなく購入価格で割り、365日を1年として年率換算した数値。利付債や他の年率換算された利回りと比較する際に使う。
- 実効年利回り
- 投資家利回りに複利効果を織り込んだ数値。同じ利率で1年間繰り返し乗り換えられたと仮定して算出する。
- 満期までの期間
- 財務省が額面金額を返済するまでの期間。T-Billは4週・8週・13週・17週・26週・52週の標準的な期間で入札される。
T-Bill利回り計算ツールに関するよくある質問
余談ですが ― T-Billが再び身近な貯蓄先になった理由
2010年代の大半は短期金利がほぼゼロに近い水準が続いたため、T-Billの利回りは現金を保有するのとほとんど変わらず、個人の貯蓄手段というより機関投資家の資金管理ツールという位置づけでした。状況が変わったのは短期金利が大きく上昇してからで、T-Billの利回りが多くの預金口座や一部のCDを上回るようになった一方で、米国政府による元利保証と、米国では州税・地方税が非課税という特徴はそのまま維持されました。
競争力のある短期利回り・州税非課税・政府による保証という組み合わせは、TreasuryDirectを通じて直接T-Billを入札で購入する個人投資家や、マネー・マーケット・ファンド、あるいは証券会社の「キャッシュ・スイープ」口座を通じて間接的にT-Billを保有する動きを後押ししました。改めて注目が集まったことで、預金口座のわかりやすいAPY表記に慣れている人にとって割引率という表記方法がいかに分かりにくいかも浮き彫りになり、このような利回り換算ツールが検索されるようになった背景の一つになっています。
初めてT-Billを購入する人が意外に感じやすい点として、決済日・満期日は月数のきりの良い単位ではなく、入札カレンダーに紐づく特定の曜日で決まるため、「13週」物の実際の日数が正確に91日にならないことがあります。このツールは各期間の標準的な日数を使って計算していますが、実際に保有している証券の正確な日数は、決済日・満期日を必ず個別に確認してください。