気体の分圧計算機(ドルトンの分圧の法則)
混合気体の全圧と各成分のモル分率(またはモル数)から、ドルトンの分圧の法則 P_i = x_i × P_total を使って各成分の分圧を計算します。
使い方のヒント
- モル数モードでは各成分のモル数を入力するだけで、モル分率は自動計算され合計が必ず1になります。
- モル分率モードで合計が1からずれている場合、比率を保ったまま自動的に正規化されるため、多少の入力誤差は気にせず利用できます。
- 成分は2〜5種類まで追加・削除できます。空気の主成分(窒素・酸素・アルゴン・二酸化炭素)を例に試してみてください。
- 単一の気体の圧力・体積・温度・物質量の関係を調べたい場合は、姉妹ツールの気体の状態方程式計算機(PV=nRT)が便利です。
よくある質問
混合気体において、各成分気体はあたかも自分だけでその容器を占有しているかのように振る舞い、混合気体の全圧は各成分の分圧の合計に等しくなるという法則です。各成分の分圧は、その成分のモル分率に全圧を掛けた値(P_i = x_i × P_total)で求められます。
モル分率とは、混合気体全体の物質量(モル数)に対する、ある成分気体の物質量の割合のことです。すべての成分のモル分率を合計すると必ず1になります。例えば空気中の窒素のモル分率は約0.78(78%)です。
人体への酸素の取り込みやすさは、酸素の割合(%)そのものではなく酸素の分圧に依存するためです。高地では気圧(全圧)が下がるため、酸素の割合が21%のままでも酸素分圧は低下し、酸素欠乏状態(低酸素症)を招きます。逆に深いダイビングでは全圧が上がるため酸素分圧が上昇しすぎ、酸素中毒のリスクが生じます。
このツールでは、入力されたモル分率の合計が1から大きくずれている場合、比率を保ったまま自動的に正規化して計算します。合計が1にほぼ等しい場合はそのままの値で計算されます。
余談ですが ― 分圧の考え方が命に関わる場面
ドルトンの分圧の法則は、原子論で知られるイギリスの化学者ジョン・ドルトンが1801年に提唱した法則です。ドルトンはもともと気象学に強い関心を持ち、大気中の水蒸気や気体の振る舞いを研究する過程で、複数の気体が混ざり合っていても、それぞれの気体は互いに独立して振る舞い、混合気体の全圧は各成分の分圧の単純な合計になることを見出しました。
私たちが呼吸している空気も、窒素(約78%)・酸素(約21%)・アルゴン(約0.93%)・二酸化炭素(約0.04%)などが混ざり合った混合気体です。地表付近の気圧を1気圧とすると、酸素の分圧はおよそ0.21気圧となり、この分圧の大きさが呼吸によって血液中に酸素が取り込まれる効率を左右しています。
分圧の考え方は医療やスポーツの現場でも欠かせません。高山病は標高が上がるにつれて全圧(気圧)が下がり、酸素分圧が低下することで発生し、スキューバダイビングでは水深が増すほど全圧が上がるため、空気中の窒素分圧が上昇し血液中に溶け込みやすくなることが減圧症(潜水病)の原因になります。分圧を正しく理解することは、単なる化学の計算にとどまらず身体の安全にも直結しています。