水の蒸気圧計算ツール(アントワン式)

温度(摂氏・華氏)を入力すると、化学で広く使われるアントワン式によって水の蒸気圧をmmHg・kPa・atm・barの4単位で計算します。周囲の気圧を変えて、標高によって沸点が下がる仕組みも確認できます。

使い方のヒント

  • このツールが使うアントワン式の係数は0〜100℃の範囲で有効です。範囲外の温度では計算結果が表示されません。
  • 周囲の圧力を標高に応じて変えると、山頂などでお湯が何度で沸騰するかを確認できます。
  • 圧力鍋は内部の気圧を人工的に上げることで沸点を100℃より高くし、調理時間を短縮する仕組みです。
  • 華氏(℉)でしか温度が分からない場合は、単位ボタンを切り替えるだけで自動的に摂氏へ変換して計算されます。
  • 沸騰は「液体の蒸気圧が周囲の圧力と等しくなったとき」に起こるという定義を覚えておくと理解が深まります。

よくある質問

沸騰は液体の蒸気圧が周囲の圧力と等しくなったときに起こります。標高が上がると大気圧が下がるため、水の蒸気圧がより低い温度でその圧力に達するようになり、結果として沸点が下がります。富士山の山頂付近では沸点がおよそ87℃程度まで下がることが知られています。

密閉した容器の中で液体と、そこから蒸発した気体が共存し、蒸発と凝縮の速さが釣り合った状態(気液平衡)になったときの気体側の圧力のことです。温度が高いほど分子の運動が活発になるため、蒸気圧は温度とともに急激に増加します。

蒸気圧と温度の関係を log10(P) = A − B / (C + T) という簡単な式で近似する経験式です。物質ごとに定まる係数A・B・Cを使うことで、より複雑なクラウジウス・クラペイロンの式を使わずに実用上十分な精度で蒸気圧を計算できます。

圧力鍋は蓋を密閉することで内部の圧力を大気圧より高く保ちます。沸騰は蒸気圧が周囲の圧力と等しくなったときに起こるため、周囲の圧力が高いほど、より高い温度にならないと沸騰しません。これにより鍋の中の水は100℃を超えても沸騰せず、食材により高い温度で熱を伝えられます。

このツールが採用しているアントワン式の係数は、水について0〜100℃の範囲で実験値と良く一致するよう定められた標準的な値です。範囲外の温度(氷点下や100℃を大きく超える過熱水蒸気域など)では単純な外挿では誤差が大きくなるため、計算結果を表示しない仕様にしています。
ツールくん

余談ですが ― 「水は100℃で沸騰する」は条件つきの常識

液体を密閉容器に入れておくと、蒸発する分子と凝縮する分子の数がやがて釣り合い、気体と液体が共存する「気液平衡」の状態に達します。このときの気体の圧力が蒸気圧です。蒸気圧は物質ごとに決まった値ではなく、温度が上がるほど分子の運動が激しくなり蒸発しやすくなるため、温度とともに急激に増加します。19世紀にフランスの技術者ルイ・シャルル・アントワンが、この温度と蒸気圧の関係を簡単な経験式で近似できることを示し、以来アントワン式は化学工学の教科書で最も広く使われる蒸気圧の近似式の一つになっています。

沸騰という現象は、液体内部で発生した気泡がつぶれずに液面まで上昇できる状態、つまり液体の蒸気圧が周囲の圧力と等しくなったときに起こります。海面付近の標準的な大気圧(約101.325kPa)のもとでは、水の蒸気圧がこの値に達するのがちょうど100℃であるため、私たちは「水は100℃で沸騰する」と学びます。しかし、これはあくまで海面付近という条件つきの話にすぎません。

標高が上がるにつれて周囲の大気圧は下がっていきます。富士山の山頂(標高約3776m)では気圧は平地のおよそ6割程度まで下がるため、水の蒸気圧がその低い気圧に達する温度、つまり沸点も80℃台まで下がります。登山中に炊いたご飯が芯まで火が通りにくいと言われるのはこのためです。逆に圧力鍋は密閉して内部の圧力を人工的に高めることで沸点を100℃より高くし、短時間で食材にしっかり熱を通せるようにした調理器具です。