DNS伝播チェッカー(無料・世界中のDNSサーバーで一括確認)

ドメインのDNSレコードをGoogle・Cloudflare等、世界各地の複数の公開DNSリゾルバーへ無料で一斉に問い合わせ、ネームサーバー移行後の変更が世界的に伝播済みかどうかを一目で比較できます。

DNSの変更が世界へ行き渡ったかを確かめる

ドメインのDNSレコードを、Google や Cloudflare をはじめとする世界各地の公開リゾルバーへ一斉に問い合わせ、返ってくる答えを並べて比べられます。ネームサーバーを移した直後や、Aレコードを書き換えた直後に、変更がどこまで行き渡ったかを一目で把握できます。

**「伝播」という言葉は、実のところ少し誤解を招きます。** DNS は変更を各地へ押し出して配る仕組みではありません。**各リゾルバーが前の答えをキャッシュしたまま、その有効期限(TTL)が切れるまで古い値を返し続けるだけ**なのです。つまり待ち時間の長さは、**変更する前に設定されていたTTLによって決まります。** 変更後にTTLを短くしても、すでに配られてしまったキャッシュには効きません。**だからこそ、移行の予定があるなら数日前にTTLを下げておく**のが定石になります。ここで答えが食い違うのは異常ではなく、キャッシュの期限切れを待っている途中だと考えてください。

使い方

  1. ドメインとレコード種別を指定する A・MX・TXT など、確かめたい種別を選びます。
  2. 各リゾルバーの答えを見比べる **新旧の値が混在していれば、まだ切り替わりの途中です。**
  3. 食い違う地域を把握する どのリゾルバーが古い値を持っているかが分かります。
  4. TTLのぶんだけ待つ **変更前のTTLが経過するまでは、待つ以外にできることはありません。**

使いこなすためのヒント

  • ネームサーバーやAレコードを変更した直後は、TTL(キャッシュ有効期間)が切れるまで古い値を返すリゾルバーが残ることがあり、これは異常ではありません。
  • 全リゾルバーで値が一致しない場合、まずTTLを確認しましょう。TTLが長い(例: 24時間)ほど伝播完了までに時間がかかります。
  • レコードタイプはAだけでなく、MXやTXT(SPF/DKIM等)の変更確認にも使えます。メール系の設定変更後は必ずTXTも確認しましょう。
  • 「NXDOMAIN」はドメイン自体が存在しないという回答です。タイプミスやドメインの期限切れがないか確認してください。
  • 本ツールは海外の公開リゾルバーにも問い合わせるため、海外ユーザー向けの伝播状況を把握する手がかりにもなります。

活用シーン

ネームサーバーを移した直後

**移管作業が世界的に反映されたかどうかを確かめられます。**

サーバーを切り替えるとき

新しいIPアドレスへ向き先が変わったかを確認できます。

「自分だけ見えない」の原因を探る

**手元のリゾルバーだけが古い値を持っている場合、他地域の答えと比べれば切り分けられます。**

切り替え作業の計画を立てる

TTLを下げる時期を、待ち時間から逆算できます。

DNS伝播の用語

リゾルバー
利用者の代わりにDNSを引くサーバーです。Google の `8.8.8.8` や Cloudflare の `1.1.1.1` が代表例です。
TTL
答えをキャッシュしてよい秒数です。**待ち時間を決めるのは、変更後ではなく変更前のTTLです。**
ネガティブキャッシュ
「そのレコードは存在しない」という答えもキャッシュされます。**レコードを新設した直後に見えないのはこれが原因のことがあります。**
権威サーバー
そのドメインの正解を持つサーバーです。リゾルバーはここへ問い合わせて答えを得ます。
ネームサーバー
ドメインの管理を委任された権威サーバーのことです。移管するとここが変わります。
伝播
変更が各地のリゾルバーへ行き渡ることを指す慣用語です。**実際には配布ではなく、キャッシュの期限切れを待つ過程です。**

よくある質問

一般的には数分〜48時間程度ですが、レコードのTTL設定やISP側のキャッシュ挙動によって変動します。TTLを短く設定しておくと、次回変更時の伝播が速くなります。

変更直後であれば正常な現象です。各リゾルバーが古い値をキャッシュしている期間はTTLに依存するため、時間を置いて再度チェックすれば徐々に一致していきます。

ドメイン名の入力ミス、ドメインの有効期限切れ、またはネームサーバーの設定自体が反映されていない可能性があります。WHOIS情報やレジストラの管理画面で状態を確認してください。

お使いのPCやISPのDNSキャッシュには、このツールが問い合わせる公開リゾルバーとは別のタイミングでキャッシュされた値が残っている場合があります。OSのDNSキャッシュフラッシュも試してください。

レコードタイプごとにTTLを個別設定できるため、MXだけ長いTTLが設定されていると他のレコードより伝播に時間がかかることがあります。
ツールくん

余談ですが ― DNSの「伝播」は誰かが配信しているわけではない

DNSの仕組みは1983年に考案された当初から「階層的なキャッシュ」を前提に設計されています。世界中のDNSサーバーが同じ問い合わせを毎回ルートサーバーまで遡って解決していたら性能が持たないため、各リゾルバーは一度得た回答をTTL(Time To Live)の間だけ自分のキャッシュに保持し、同じ質問には再びキャッシュから即答します。この仕組みのおかげでDNSは高速ですが、裏を返せば「変更が全世界に伝わるまでの遅延」という副作用も生まれました。

この遅延は俗に「DNS伝播(DNS Propagation)」と呼ばれますが、実際には情報が能動的に世界中へ配信されているわけではありません。正しくは、各リゾルバーが持つ古いキャッシュがTTL切れとともに順次消え、次に問い合わせが来たタイミングで新しい値を取得し直すという、受動的な入れ替わりの積み重ねです。TTLを24時間に設定していると、理論上は変更後24時間はどこかのリゾルバーが古い値を返し続ける可能性があります。

本ツールが使うDoH(DNS over HTTPS)は、もともと2018年前後にMozillaやGoogleが「ISPや通信経路上の第三者にDNSクエリの内容を見られたくない」というプライバシー動機で普及を進めた技術です。HTTPS通信に紛れ込ませることでDNSクエリを暗号化・秘匿できる一方、副産物として複数の公開リゾルバーへサーバー経由で手軽に問い合わせられる標準化されたJSON APIも普及しました。